聴き始めようとするとき、期待感に交じってかすかな緊張感を感じている気がします。
間違いなく一筋縄ではいかないだろうと。
無防備で入るとガツンとやられるだろうと。

Dirty Projectors が傑作だった前作"Bitte Orca" に引き続きリリースした新作。
"Swing Lo Magellan"
相変わらずアルバムタイトルも意味不明。

Swing Lo Magellan/Domino

¥1,242
Amazon.co.jp


彼らの音楽は、自分の中にあるポップスの枠やイージーなリズム感で音楽を聴こうとすると、肩すかしをくわされ、振り回され、え何何~ということになります。

その自由に跳ねまわるエネルギー感で脳みそがかき回されます。

とりあえず彼らのやっている音楽に身を委ね、おお面白い音、意外な展開~などとポジティブな受け身の姿勢で聴くことが必要。

すると快感に転じる彼らの音楽。
期待をするりと抜けられる、予定調和しないアンバランスな調和。
ベタつかずヌケのいい音空間。

唯一無二の存在感。
明らかにブルックリン系のリーダーのひとつです。







彼らの音楽が持つある種のテンション。
今作ではそれが良くも悪くも薄れているかも。

はねまわるメロディと安心していられない変則リズム感は、やや後退気味です。
もちろん彼ららしいエキセントリックな曲が中心となりながらも、メロディやリズムが落ち着いた曲がいくつかあります。

今作は、幅を広げながら強弱を持たせているのかも。
その分、全体として聴きやすい方向に感じやすい。
前作が苦手だった人にオススメ。

好き嫌いがはっきりわかれるその音創りが彼らの特徴だけれど、忘れてはならないのがボーカルの良さ。
ここで聴ける歌とバックコーラスが、ボーカルなのか、人間の声を使った楽器なのか、彼らにとっての位置づけは謎だけど、大きな魅力の中心にあることは間違いありません。

ちょっとくどめだけどね。