ロックにもさまざまな個性がありその幅はとても広いです。
もし音楽性の分布状況を表したグラフがあれば、縦横ともこのグループは大きくはずれた端っこの方にあるでしょうね。

Sigur Ros の最新アルバム、 "Valtari"

ヴァルタリ/EMIミュージックジャパン

¥2,500
Amazon.co.jp

白状すると、リリースと同時に買ったこのアルバムの全体像を掴めたのはつい最近です。

何度も聴いたんですが、途中で記憶が途切れてる笑
後半なんて、ああこんな曲もあったのかなんてね。

あまりの心地よさに意識がだんだんとろけてきます。
そして、いつの間にか寝てる。

決して退屈だから寝るんじゃありません。
心地よさ過ぎて、強張った何かをほぐしてくれるかのように、気持ちが緩むんです。

それほどまでにゆったりとした時の流れがここにはあります。
そして響きを大切にしたサウンドスケープ。
まるで悠久の時の流れを表現した音楽かのよう。

その音の感触はとても豊かで暖かで、時の流れは穏やか。

ここには打楽器やリズムマシーンによる強制的なリズムは一切ありません。
ヨンシーのボーカルと柔らかなピアノ、ヴァイオリンの弦で弾くギターなどが奏でる音の移ろい。

このアルバムの世界観を端的に表しているVPかもしれません。




もしかしたらアルバムの中心となってるこのアンビエント系のサウンドスケープが、昔からのアルバムを愛してきた人たちには物足りないかもしれません。

彼らならではの感情の昂りといったクライマックスが少ないですからね。

しかしこのアルバムの持つ豊かで豊穣な時の流れは、淡泊なアンビエント系を遥かに凌駕しています。
まるで生命豊かで暖かい海の中や、作物も豊かに実った一面の畑の中をゆっくりと移動しているかのよう。

都会の生活のせわしなさに追われていると、緩やか過ぎてなかなかフィットしにくい時の流れかもしれません。
しかし、だからこそこういった音楽の時の流れに身を任せてことも必要なんだろうと思います。