昨年リリースされたカニエのアルバム My Beautiful Dark Twisted Fantasy について、HIP HOPというフィールドをベースにしていながらもそのフィールドを超えたアルバムで、優れたサウンドスケープとともにそれなりに楽しめます、というレビューをしました。

その印象はその後も継続していて、レビュー後にもけっこう聴き込んでいる、なじんだアルバムになってます。
ロックのフィールドからはなかなか出てきにくい世界観の音楽であり、豊かなアイデアとメリハリが効いた作り込みがとても刺激的。

なによりも、苦手なHIP HOP臭が少なめで、違和感を感じずにその世界観を堪能できるのが大きいです。
メロディがしっかりとあって、曲ごとのサウンドコンセプトがはっきりとしてます。
Pitchforkが付けた点数が妥当かどうかは置いておいて、とても優れたアルバムなんじゃないでしょうか。

そんな中リリースされた、 Jay-Z とのコラボレーションアルバム。
"Watch The Throne"

Watch the Throne/Kanye West & Jay-Z

¥1,299
Amazon.co.jp

Jay-Z ってよく知りませんでしたが、ベテランのラッパーで、音楽プロデューサーなんですね。
自分でも、畑違いの人への無知は、呆れるほどですが。

Jay-Z以外にも、曲ごとに多種多様なコラボレーション。
そのため、アルバムとしての統一感というか、色の濃さやエネルギー感は、オリジナルアルバムの方が上でしょう。

それでも、カニエの音楽であることは揺るぎもせず、色はしっかり保たれています。







ちょっと苦手なのが、Otis という、オーティス・レディングとの共演曲。
カニエの持つサウンドスケープが薄れ、共演ミュージシャンに合わせ過ぎてる気がします。
アルバムのいい流れを断ち切ってるんじゃないでしょうかね。
それもカニエの表現の幅、という捉え方もできますけどね。

HIP HOPというカテゴリーに捉われず、ロックファンにも刺激的なカニエの一連のアルバム。
量産しているにも関わらず、保たれている制作のクオリティ。
一時期のプリンスを見るようです。

そのうち、とんでもないアルバムを創ってくれそうな気がします。