これは評価が難しい。

この意図的に創られた軽さとわかりやすさをどう受け止めるのか。
それを思って聴き続けてました。

USインディと言ってもその音楽性の幅広さは驚くばかりですが、そこに共通するのはある種の「軽さ」があります。深刻に悩んでどん底に明かりを見出したり、階級間の軋轢から産み出されたパワーだったりではなく、おおらかさからくる、ある種の軽さ、明るさ。

もともとのアメリカンロックにもそういう側面があるので、正常進化なんでしょうけどね。
軽さや明るさは、自ら寄って立つ基盤から自然とにじみ出てくるトーンなんだろうと思います。
USインディは、その特質を持って、さらりと抜けてるのが素晴らしい。

Cults のデビューアルバム。

Cults/Cults

¥894
Amazon.co.jp

価格も輸入盤だと、軽くていいですね~

彼らもNYブルックリンのグループです。

どことなくノスタルジックなフレーズに乗せて、男女のデュオが奏でるロック。
ロックと断言するのに若干の抵抗感があるんですけどね。
ベースとなる演奏やアレンジメントはシンプル。
意図的にベース以外の低音ボリュームを薄めにして、全体の音域を上げてます。

キャッチーなメロディと可愛らしい高音域の女性ボーカルの組み合わせに、スパイスで乗せられた60年代リバイバル的なレトロ感。

実に分かりやすいつかみを持ってます。
そして、USインディらしいティピカルな軽さ。
詳しくはわかりませんが、しかけの好きなプロデューサーが話題性を意識して制作に携わったのではないでしょうか。







まあ、こりゃ売れるでしょう。
しかし、なにかあざといなあ。

よくできていて、さわやかで、オリジナリティもあって、どこか Destroyer の Kaputt にも通じますが、何かに用心して無意識のうちに距離を取ってしまう。
なんだろう、この感覚。
わかりやすく、ウケやすく作られたモノに無防備でいることへの用心。
過分にソフィスティケイトされたものへの疑問。

それが、このアルバムへの評価を難しくしてます。
少なくとも自分はこの音楽にのめり込むことはないでしょう。

なんとなく、昔の「産業ロック」や「フュージョン」(わかる人にしかわからんと思いますが)に対して感じた違和感(のちに拒否感)に近いかも。