前作 Primary Colors が大きく評価されたHorrorsですが、強いオリジナリティは感じるものの、その世界に入りきれませんでした。

ダークな基調にシンセの入れ方で独特の色彩感が出ている楽曲たち。
自分の好みからすると、そのダーク感自体に殺伐とした印象があり、色彩感もわりと乱暴に付け加えられた感があって、ダーク感と色彩感がうまく融合していないというか、全体バランスに不満が残るアルバムでした。ボーカルも今一歩の印象。

それでも自分の聴いていないファーストから見ると圧倒的な進化だとかで、NMEでは年間ベストに選出されてましたね。

そんなわけで新作には多大な期待はしてませんでしたが、違和感を感じながらもその世界観の持つ可能性は感じていたので、目にした新作ジャケットの世界観がそこを広げてくれてる気がしたこともあり、購入。

The Horrors "Skying"
スカイング/ザ・ホラーズ

¥2,490
Amazon.co.jp

彼らのセルフプロデュースです。
セルフプロデュースは、実力を勘違いしたミュージシャンがやって失敗するケースと、自分の創りたかった世界観を純度高くカタチにすることができて成功するケースに、はっきりと分かれる気がします。

今回のセルフプロデュースは、前作のプロデューサーが自分たちだけでできるんじゃないの、と発言したことで発生したとかしないとか。
まあ、それだけプロデューサーの仕事に口出しするウザいやつらなのかもしれませんね。
実力もあったのでしょうけど。

逆に言うと、自分たちの音楽に対する具体的なイメージとアイデアがあるということで、大いに期待したいところ。

で、このサードアルバム、世界観がさらに進化しました。
自分がセカンドアルバムに感じた違和感がことごとく改良されてます。

融合せずに浮いていたシンセによる色彩感が落ち着き、楽曲にフィットしている。
ボーカルから粗さが取れ、より歌に向いて来ている。

ある種、セカンドの世界観に強烈な魅力を感じた人たちにとっては、落ち着いてしまったとか、平板になって他との違いがなくなってしまったとかの印象を持つのかもしれませんね。

その分、賛否両論が起きそうなアルバムではあります。

シングルカットされた曲。この曲がこのアルバムを代表しているとは思えませんが、YouTubeに他の曲がほとんど存在してません。著作権パトロールが厳しいんでしょうね。


アルバムではとてもいいノリを見せてくれる曲。ライブバージョンで。


他にもっと紹介したい曲があるんですけどね。

ボウイなどグラムロック系の色気や、SUEDEの妖しさも加わり、曲によってはSUEDEを彷彿とさせるものもあります。
アルバム最後の Oceans Burning という曲がたまりません。
まさにSuede級のナルシシズムが爆発したような、耽美のスパイラルにはまりこんでいくかのような曲です。
これもYouYubeにのってませんでした。

3年経って同じ音楽やってるなんて信じられない、とのたまった彼ら。

若干地味な印象もありますが、バランス悪く突出していたトゲがバランスよく整えられ、深みが加えられて見事なブリティッシュ・ロックに仕上げられたアルバム。

知性と毒性の両立。

一過性に終わらず、何度も聴くことになるアルバムになりそうです。