音楽への評価を考える時、その人がどちら側から音楽に入ってきたかがけっこう重要な気がしてます。

クラシックから入ってきたとか、歌謡曲だよとかなどのわかりやすいものや、歌詞の良さがいいという人と、やっぱ音でしょという人、その音でも轟音に魅かれた人とサウンドスケープに魅かれた人、レベルも分け方もさまざまなんだろうと思います。

その入り口の価値観の違いで同じミュージシャンに対しても評価の違いがはっきり出るし、一見同じカテゴリーのミュージシャンでも人によってはこっちは好きだけどこっちはキライ、などとなるのかもしれません。

自分はロックの音の側面から入ってきたし、今もソリッドな音や、サウンドスケープに優れてるものに強く魅かれます。

90年代から今までのブリティッシュが好きな人に圧倒的支持を得ている、Oasis 。
今まで多少それらしきことに触れてきましたが、ファンの方には申し訳ないですが、自分は Oasis をそれほど好きじゃありません。

もちろん、何枚もアルバム買ってそれなりに聴きこんできました。
ノエルが創るメロディラインは魅力的なんですけどね。
なじめないのは、音の側面です。

あの独特のギラギラ感がちょっと耳障りなんですね。
ボーカルも、ギターも、全体でもあまりニュアンスやメリハリがなく、音圧が一本調子な印象です。
一言で言うと、「がなってる」ロック。
音もあまりソリッドじゃないし。
音とは関係ないけど、リアムが人間として嫌いだというのも大きい。

じゃあ、どのミュージシャンがいいのか。

Oasis との対比がしやすいのは、 The Verve でしょう。
ここで挙げるのは10年のブランクを経てリリースされた4作目、 "Forth" です。

FORTH~再生/ザ・ヴァーヴ

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必ずしもこのアルバムは彼らのベストという評価をされているわけではありません。
しかし、ここから溢れてくる彼らの音や音楽は、自分がOasisの音楽に感じるフラストレーションを見事に一掃してくれます。

ソリッドに切れ込む音。
楽器もシャープに分離し、甘ったるさがない。
隙間を大事にして、音空間が生かされている。
高揚させてくれるメリハリの効いた構成。
ニヒリスティックだけど味と存在感のあるボーカル。

ハードメンソール。

ここにはブリティッシュに期待するかなりの部分があるといっても過言ではありません。

まさしく、ブリティッシュロックの矜持。