最近、街中で疾走するロードレーサーが増えてきた気がしますね。


自転車のことです。

あの昆虫の頭のようなヘルメットかぶって、カラフルで細身のウェアに身を包み、いかにも軽くて高性能な自転車に前傾姿勢で乗っている人たち。


そばを通り抜ける瞬間、風が吹き抜けた気がします。

シャーというかすかな音とともに、ほとんど無音で通り過ぎる風のような存在。


昔、相当入れ込んだ時期がありました。


オーダーメイドで作ったロードレーサー。

上野にある横尾双輪館でオリジナルのHOLKSブランドを選択。

フレームを自分サイズに合わせ、メカもタイヤも予算に合わせすべて選んで組み立てます。


シフトメカは、その頃から出始めた、ブレーキ兼用のシフトレバーがついてるヤツを。

シフトアップ、ダウンする時には、ブレーキレバーをカチカチと左右に倒せばいいだけです。

ハンドルを握ったままブレーキ操作もシフトチェンジも思いのまま。


これに乗って、疾走しました。

ろくに体力ないのに、ツール・ド・フランスを見てその気になって、ガンガン行きました。


休日は、大井ふ頭まで出て練習です。

平日はコンテナトラックで埋まるこの場所も、休日となるとガラガラで、ひたすら広く長い直線舗装道路があるだけです。クルマもほとんど通りません。だから信号あっても止まりません。

都心近くでこれだけ理想的な場所があったんです。


1周8kmの周回路を何周もします。

ロードレーサーには速度計は必需品です。

時速、平均時速、所要時間、ラップタイムだけでなく心拍計がついたものもある。


できるだけ一定のペースで、心拍数はmaxの80%くらいを維持しながら。

最高の有酸素運動です。

あのライディングフォームは、空気抵抗をなるべく抑えた機能美そのものですが、長時間保つのはけっこう腕の力と背筋力が必要なんですよね。

これでけっこう体力ついた気がします。


ロードレーサー乗ってると、道路の微妙なアップダウンや、追い風向かい風に敏感になります。

急にスピードが落ちたのは、微妙な上り勾配があるせいか。

やたらスピードが出るのは、きっとフォローの風が吹いてるんだな。


それこそ、地球と会話しながら走っている感じ。


そのうちヒルクライムの魅力に取りつかれました。

自動車で走っていても、旅行に行っても、坂があるとロードレーサーでアタックしたくなる。

この勾配はどのくらいだろうとすぐ考える。


うわ~この坂キツそ~最大斜度10%だと、などと言いながら、顔は思いっきりニヤけてます。

長い坂を、憧れの峠を登りきった時の充実感、チャレンジする時の高揚感を思い浮かべて。


もちろんMTBでもヒルクライムできるし、ある種ロードレーサーよりも向いてるかもしれません。

ギアも16段あるくせに、その可変幅は狭く、一番軽いギアにしてもMTBの一番軽いギアよりも遥かに重い。

でも、ツール・ド・フランスのアルプス越えをイメージしながら、自分が自分のロードレーサーでもがくところに、醍醐味があるんですよね。


マシンと一体になって、人力エンジンの限界に挑戦してる感じがするんです。


くそ~、久しぶりに乗りたくなってきたぞ。