旅の記憶。

20年ちょっと前の初夏、僕は気仙沼から宮古、釜石を旅していた。
リアス式の緑豊かな海岸線は山が直接海に没しているかのようだった。

去年の秋の日、僕は仙台南部有料道路を東に向けて走っていた。
彼方には光る海が見え、その手前には荒浜地区の平野が拡がっていた。

景色が、脳裏に焼き付いている。
人々が暮らしていた景色が。

なぜか、このアルバムを聴くたびに、あの景色たちが思い出される。
アルバムが発売されたのは最近だというのに。

R.E.M.Collapse Into Now
$ノスタルジックなノイズたち

Collapse Into Now というタイトル。
常に困難を乗り越えることをテーマとして音楽を創ってきたグループ。
何かを慈しむように歌う、マイケル・スタイプ。
そしてこのメロディ。

心の奥底にある、何かを強烈に揺さぶる。
なぜか途方もなく悲しい気持ちが湧きあがる。

鎮魂歌なのだろうか。
鎮魂する波動がこのアルバムから出ている気がしてならない。





この前の記事で、震災後の心にこの曲が沁みると書いた。
ニューオーリンズの被災者に対して歌ったものらしい。


このアルバムを聴くたびに、2011年3月11日の記憶、津波がもたらした想像を絶する惨状を思いだし続けるのだろう。

やり残したこと、心残りなこと、たくさんの想いや記憶とともに、大津波の中に消えて行ったたくさんの命。

どうか安らかに眠ってください。