先週の土曜日の朝日新聞の別刷りBeに、「昨年、音楽CDを買いましたか?」という記事が載っていました。
記事によると、昨年のCDの売り上げは、J-POP全盛期の1998年に比べると、半分以下に落ちたそうです。
記事の調査によると、
昨年音楽CDを買った人 49%
昨年音楽CDを買わなかった人 51%
「買わなかった人」に対して、昔は買いましたか、と聞いたら、
昔は買った 77%
昔も買わなかった 23%
「買わなかった人」に対して、その理由を聞いたら、
ダントツの1位 音楽を聴くこと自体が減った
2位 テレビやラジオでよい
3位 昔から買わない
4位 動画サイトなどで聴く
5位 ダウンロードする
となっていました。
4位と5位を足しても1位の半分程度の数に過ぎません。
そして今日の日経新聞の記事に、音楽配信が初の減収、と書いてあります。
音楽配信の8割を占める携帯電話向けが一昨年で頭打ちになり、昨年は減収に転じました。
記事によると、携帯ゲームなどとの競合が激化したためと書いてあります。
そしてパソコン向け配信も明らかに頭打ち。
つまり、昨今のCD不況ってやつは、ダウンロードやYouTubeなどによる影響はそれほど大きいわけではなく、娯楽の中での音楽の存在感が減ってきたことが最大の要因と考えられます。
音楽を聴くこと自体が減った。
音楽聴くよりもゲームにお金を使いたい人が増えた。
ひとりひとりを見ると、おそらく日常で音楽を耳にする機会は減ってないでしょう。
ところが、自分の意思で、積極的に聴きたい音楽が減った。
そんなことなんじゃないかと想像しています。
刺激的な娯楽が多様化して音楽の地位が相対的に下がるのは仕方がないでしょう。
不況で給料が下がり、音楽に使えるお金が減ったのも確かでしょう。
しかし、音楽産業自体が自分の首を絞めてるのも確か。
テレビを見ても、街中を歩いても、音楽が垂れ流されている。
売ることを目的に、タイアップなどで認知を広げることが目的に作られた安普請の音楽たち。
一時の話題とともに消費されることが唯一の存在理由で生産され続ける音楽たち。
そんなものばっかり、自分の意志とは無関係に聴かされ続けると、音楽など積極的に聴きたくなくなる気持ちもわかる。
どうせ、売るためにスタッフを揃えて、話題のネタを付けて新しさを出そうとしていることがわかっているから。
中身は、どれも金太郎飴のようで、その人が歌ってる必然性も、表現としてのリアルさもない。
流行りもののひとつと割り切って、知っているだけでもういい。
ダウンロードできる無料のゲームと比べられ、選ばれなくても仕方がない。
自分にとってリアルでなくなってきている音楽。
無料で手に入るものよりも魅力的でなくなっている音楽。
実際はそんなことはないのに。
ここにこんなにたくさんの魅力的な音楽があるのに。
デジタルやネットの拡大とはうらはらに、音楽と人との関係性がどんどん崩れている気がします。