USインディが続いていることへの反動なんでしょうか、久々に聴いたこのアルバムが妙に新鮮で魅力的に響きます。
成熟した大人であり、成熟したミュージシャンによる、卓越した音楽。
これがロックなのかどうかは、聴く人それぞれの思い入れでいいと思いますが、自分にとってこの人はロックミュージシャンであり続けてます。
Sting "Brand New Day" 。

最近、ポリス時代のものも含めたヒット曲を中心とした曲のクラシック編曲版とでも言えるアルバムを出し、ワールドツアーを行っているスティング。
自分としてはあくまでもオリジナルアルバムのリリースにこだわって欲しかったし、熟練のミュージシャンがこういう形で自分のキャリアに寄りかかった活動をするのは好きじゃないので、自分としては初めて、スティングのリリースするアルバムを買いませんでした。
スティングにだけは、これをやって欲しくなかったのが正直なところ。
日本公演など、それはそれで好評のようですが、確かにライブでのダイナミズムを模索する意味でクラシックの編成を持ち込むのはあるんじゃないかと思いますね。
でもアルバムとしてリリースするのは違うんじゃないかと。
さて、このアルバムはスティング6枚目のスタジオアルバムで、1999年のリリース。
自分がスティングのアルバムでベストと思っているのは、2枚目の Nothing Like The Sun で、本当にこれは傑作です。
何度聴いたかわからないほど。
スティングの音楽は自分にとって、冬のピンと張りつめた空気感に近いイメージがあり、それと雪景色が見事に一致した一人旅には忘れがたいものがあります。
音楽と場所の記憶~Nothing Like The Sun その1
そのアルバムと比べるとサウンドスケープと完成度の面でやや劣るのはしかたがないにしても、やはり精神的にもテクニック的にも高いレベルでバランスが取れているミュージシャンの音楽は、若造には創り得ないもの。
新しい音楽の息吹などは感じようがないものの、実に安心して聴いていられるし、成熟した音楽だけが持つ豊かな時の流れが感じられます。
冷やかでクールな時の流れ。
ここにも名曲があります。
日本盤のエキストラトラックですが、本当にこの人の歌には味があると実感。
スティングは自分の中でロックミュージシャンなので、こういうクラシック編曲とかグラモフォンレーベルからのリリースなどは早くやめて、また上質の成熟したロック創りに戻ってきて欲しい。
リスナーの勝手な思い込みであることはわかってますが、鮮度感やガレージ&ローファイ感も魅力的ながら、熟成した練度からくる上質感を味わえるロックも自分にとって大切な音楽なので。