6位 Local Natives "Gorilla Manor"

今年の特徴は、とにかく魅力的なUSインディがたくさん登場したことでしょう。
イギリス勢にはなかなかできそうにない、抜けの良い音楽を創ってくれました。
それとロックにおける歌の概念が変わってきたような気がします。
シャウトすることはなく、きれいに歌う。コーラスを多用する。
こういった要素が、ロックに軽やかさをもたらしてくれた気がします。
重く引きずるのではなく、軽やかに飛翔するロック。
Local Natives はカリフォルニアに住む美術系の学校に在籍するメンバーが結成したグループ。
デビューアルバムですでに安定した世界観を提示してくれてます。
空白のキャンバスを生かしながら、トライバルなリズムやコーラスを多用したボーカルでアクセントをつけて行く。
一見スカスカに見える音空間も、きちんと計算されたアレンジメントとさわやかなポップネスとでもいうべき歌で見事なバランス(それも彼らならではの独特なバランス感覚)でしっかりと、形作られている。
繊細でありながら、骨太でもある、曲ごとの展開力もさすが。
フジでも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれ、知らなかった人たちを驚かせたようですね。
5位 Avi Buffalo "Avi Buffalo"

Local Natives に並び、これもUS西海岸発インディのグループ、Avi Buffalo 。
他のUSインディと比べて特徴的な音を出していたり、サウンドスケープが優れているというわけではありません。
21才というアヴィを始めメンバーの若さ、瑞々しさがそのまま音楽になった、本当にピュアなアルバム。
ここまでキラキラと輝くギターは聴いたことがありません。
このアルバムを聴いたのが、夏の高原でした。
その場所とこのアルバムが共鳴して、とても魅力的に輝きました。
アルバムとしての完成度や、トータルバランスでは Local Natives の方が上かもしれません。
でもこのアルバムには、自分を惹きつけて止まない、彼らだけが弾くことのできる瑞々しさがあります。
瑞々しさに慣れたり、聴き飽きたりすることのないよう、大事に大事に聴いてます。
Girls もそうですが、傷つきやすい剥き出しのピュアネスに魅かれることが多いのは、歳をとった証拠なんでしょうか・・
4位 Autechre "Oversteps"

ここまでのベスト10は明らかにロックといえるものばかりですが、これは少し毛色が違います。
基本的にシンセをベースとし、ハードディスクレコーディンクのテクニックを駆使して創った音楽です。
これは自分が聴きたい音楽を聴いているだけでは絶対に出会えなかった。
エレクトロニカ系なんでしょうが、このアルバムに関しては、はっきりとしたリズムやくっきりとしたメロディというものがありません。
音を微粒子まで分解して音として再構築させているような音(??)。
音を使ってメロディを創るとか、音でリズムを創りだすとか、普通の音楽で前提となることが前提でない。
いわゆるシンセミュージックやアンビエントとも違う。
白紙の空間、そこに在る圧倒的な音を聴くだけ。
音の自律的な動きに浸るだけ。
この後に続けて、同じレコーディングタームで制作された Move Of Ten もありますが、こちらはややリズムや曲の創りが普通のエレクトロニカに近づいた印象です。
なのでやはり、コンセプトの明確性や音楽としての先進性はこちらが上。
音楽の未来像が垣間見れるような気がします。