ファーストアルバムでいきなりガツーンとやってくれた Girls

いくらひ弱な野郎と言われようと、ノスタルジックな性格ねと言われようと、この音楽がキュンと来てしまうのだから仕方ありません。

メロディラインと、あの声と、歌詞。
それらが、見事なまでに同じベクトルに上に乗せられてます。

なぜ彼らの奏でるロックにこれほどまでに惹きつけられるのかを考えていた時、彼らの音楽を聴いている時の感覚が何かに似てるな、と思い到りました。

それは、季節の変わり目に感じる感覚ですね。

春のやわらかな風にふかれた時。
風の運ぶ夏の香りが強くなる時。
強い日差しの上に広がる雲が柔らかいものに変わる時。
青空が抜けるように澄み始めた時。

ひとつの季節が終わりを迎えつつある中、新しい季節が勢いをつけつつある、そんな時期。
新しいものへの期待と、去りゆくものへの寂寥。
きらめきと同居する影。
幸福の背後にある哀しみ。

一番近いのは、なんとなく風に涼しさが混じり始め、傾きつつある陽の光できらめきを放つ晩夏の夏の海、って感じかな。

ひとことで言うと、感傷的、ってヤツですね。

この感傷的な部分を実に巧みについてくる。
それもアルバム全編にわたって。
感性・感覚に直接作用するロック。
ありそうで、なかなかないですね~

そんな彼らが、セカンドアルバムに先立ちリリースした6曲入りEP、
Broken Dreams Club
$煩悩の日々

タイトルからして、彼らの音楽そのもの。

どうやらファーストを制作する時に創った曲を改めてレコーディングしたものらしいですが、ほんとにまんまファーストの路線の延長ですね。

そういう意味では、彼らの音楽に期待するものをそのまま創ってくれた感じ。
このアルバムに関しては、もうそれ以上の感想は蛇足ってもんですね。

ところが気になることがひとつ。

もうひとつの彼らの音楽の魅力のひとつが、あのリアルにキラめくギターサウンドです。
ファーストでは、あの音にもやられました。

今回のアルバムの売りが、スタジオ録音であること。
なにしろ、前作はベッドルームで壊れた録音機材を使って自分たちで収録したものですからね。

しかし、このふたつが相乗効果にならず、良さを消してしまった印象があります。

ローファイな録音だったのが、音質が良くなり、ギターの音質が良くなったことによって、逆にギターの音の線が細くなり、ギターのキラメキ度がちょっと下がってしまいました。

なんだか、魅力アップのターボをはずして、自然吸気型にしてしまった感じ。
もちろん、本質である彼らの音楽自体のキラメキは残っているので、それは問題ないんですが。

よくアナログ録音+アナログマスターだった昔の音源をデジタルリマスターすると、妙にこざっぱりした線の細い音になることがありますが、それに近いですね。

アナログのマジックと呼んでますが、ローファイ感が線の太さだったり、存在感だったりを上げてくれるんですよ。

でも、あえて気なる点をあげてみただけで、彼らの音楽の本質に影響することではありません。
むしろ、繊細になった印象はプラス。

説明もいりません。彼らのど真ん中。


ここまで行くか、って感じですが。


気になるのは、セカンドアルバムと、彼らの今後。

これだけのアルバムを創っている彼らですが、この鮮度がいつまで続くのか。
彼らも年齢を重ねますし、音楽的な深さや広がりを追求したくもなるでしょう。
自らの体験に基づくリアルな歌詞にも限界が生まれるだろうし。

Girls というバンド名で演っているこの音楽がどの方向に進み始めるのか、楽しみ半分、心配半分、ってとこでしょうか。