そんなにメジャーでもないし多くの人から支持されてるわけでもないけど、なぜか感覚がぴったりあうミュージシャンがいます。

色んな音楽にトライしてて、その振幅が大きく振れても、どの地点の音楽でもなぜか不思議にフィットする。
曲のサウンドスケープ、音の質感、細かなこだわり、どれもが響いてくる。

感性の波長があうミュージシャン。
自分にとってそのひとり、アート・リンゼイ。

彼のことは今までもブログで何度も紹介してきましたが、久しぶりに彼のアルバムを聴いて、やっぱりたまらん、と思いました。

彼はある種の天才なんだろうと思います。
坂本龍一によると、彼は楽譜も読めなけりゃ、コードもよく知らない。
それでもその感性を武器に、素晴らしいアルバムを創りだし、他人のプロデュースまでしてしまう。

とてつもなく繊細なサウンドスケープと、攻撃的というよりも破滅的なギター。
ニューウェイブでありながら、ボサノヴァ。
素晴らしい声となんとも味のあるボーカル。

それらの要素が絶妙なアンバランスを取りながら音楽として成立して行く。
知性と感性が創り上げる音楽。

最新のアート・リンゼイから、過去へ遡って行きたいと思います。

まずは彼の現時点での最新アルバム、Salt(Plus Two) から。
このアルバムは必ずしも彼のベストワークではないと思ってますが、それまでに比較するとリズムを強化した印象。




最初に音楽の変遷とともに、と書きましたが、かれの音楽は本当に目まぐるしくその姿を変えてきてます。
とはいえ、本人はその時にやりたいこと、出したい音を出してきただけだろうと思うんですが。

2002年リリースのソロアルバム、Invoke からの曲。
音がとても繊細、自らのルーツであるボサノヴァを自分なりに消化してます。



1995年リリースのソロデビューアルバムから。坂本龍一がピアノで参加。
それまでのニューウェイブ系を中心とした音から、彼のサウンドはボサノヴァを基調とした、穏やかなものに変化していきます。



アート・リンゼイが坂本龍一とともに1990年にニューヨークで行ったインプロヴィゼーション。
これも美しさと激しさの同居。



これはアート・リンゼイが世の中に初めて認知された曲です。
1978年にイーノがプロデュースした歴史的アルバム No New York で、DNAとして参加した時の曲。
今やってる音楽とはそうとうかけ離れたものですが、かなり刺激的。
この盤はいまだに名盤として評価が高いです。
このLPを中古で売ったら、もの凄い値段がついてびっくりしたことも。


一貫して思うのは、自分の感性に素直に従って音楽を創っていること。
その感性が優れているから、これだけの音楽が出てくる。

自分にもできそうだ!と勘違いしそうだけど、とんでもないことになるでしょう。
天才ならではのなせるワザ。

そろそろ次のステップを見せて欲しいものです。