もうすぐ、スウェードのリマスターベストアルバム2枚組が出るそうです。
過去のアルバム、特にファーストとセカンドは名盤ではあるけれど、音質に不満のあった僕としては楽しみ。

スウェードはオリジナルアルバム5枚を残して解散してしまいましたが、バーナード・バトラーが在籍して制作されたファーストとセカンド、彼が脱退したけれどセールス的に成功したサードが代表作という評価だと思います。

ところで2002年にリリースされ事実上のラストアルバムとなっている、New Morning
$煩悩の日々

たぶん、Suede (スウェード)のアルバムの中で、支持率が低い方のトップを争うアルバムではないでしょうか。

ファーストやセカンドでの耽美系に通じる背徳感はどんどん薄れ、ここではアコースティックで健康的といってもいいスウェード=ブレット・アンダーソンがいます。
薬物中毒から脱したブレット、料理が趣味だなんて言ってたそうですが。

陽光につつまれたスウェード。
ギターもアコースティックが多く使用され、淫靡なギターリフもなければ、過剰なエコーもない。
スウェードの見方を変え、ファーストやセカンドやバーナード・バトラーに思い入れのある人を除けば、それはそれでキャラの立ったポップスロックだと評価できるアルバムだと思っています。

ちょっとトーンの下がったブレットのボーカルも、なかなか良い味出してます。
まあ、アルバム全体の完成度は、初期からサードの域にはなかなか到達してないけれど、やはりブレットにはバンドが似合う。

アルバムのキラー・チューン、Obsessions 。


スウェードの魅力のひとつは、こういった甘くやるせないミディアムテンポの曲。
When The Rain Falls 。


日本盤だけの特典かどうかはわかりませんが、アルバム最終曲の後に、10分間の無音があり、その後にくるシークレット・トラック、Oceans 。
とても美しく、お気に入りの曲。


この美しい曲が穏やかに終わる時、スウェードも終焉を迎えたのでした。

ブレット・アンダーソンは、虚飾の美というか、ある種のいかがわしさに魅力がある気がします。
どんどんポップになっていっても、こういったアコースティックをベースにロックをしても、虚飾性は抜け切れず、それが個性として生きていて、スウェードという唯一無二のグループのキャラにつながっていると思います。

そうしたポップスターとしてのつっぱりが、ソロになったら抜けてしまった気がしてます。
だからこそソロとしての意義があるというべきか、そのシンプルな音楽をブレット・アンダーソンがやることの必然性がないというべきか。

それはリスナーそれぞれの価値観に拠るところなのでしょう。

でも僕は、ブレットにはスウェードというバンドにおいて輝いていて欲しい。
再結成コンサートも始まったことだし、ぜひ次はアルバムのリリースを切に願いたいところです。