大貫妙子。
山下達郎たちとシュガーベイブを結成したのが1973年なので、活動歴は37年にも及ぼうとしてます。
ソロとして活動を始めたのが1976年。

彼女のピークは、坂本龍一や高橋幸宏らとレコーディングを重ねた、ヨーロッパ3部作を含む1980年代前半と、大村憲司や小林武史たちと組んでさまざまなポップスに挑戦した1990年付近だと思います。

彼女のファンのコア層は、30代~50代の男女(女性比率が高いと思われます)ですが、ミュージシャンでもファンが多い。
そして、その人たちが最も好きな時期に挙げるのが、1980年代のヨーロッパ3部作でしょう。

Romantique
Aventure
Cliche

$煩悩の日々

これらのアルバムがなぜヨーロッパ3部作と呼ばれるか。
それは歌詞のテーマ設定だけでなく、北部ヨーロッパの独特のエスプリ、乾いた空気感、歴史の重みがもたらす郷愁、暗い雲がもたらす憂鬱感、などが各所ににじみ出ているからでしょう。
Aventure だけは、南欧の雰囲気がありますが。

日本人がこれを日本で作れてしまうのが不思議です。
そして、それを我々日本人がヨーロッパの感覚であると共有できてしまうのも、不思議。

彼女の音楽において、もっとも特徴的なのは、彼女の声質とメロディラインですね。
体温感覚の低い、不思議な透明感のある声。
けっして予測どおりに動いていかない、予定調和を否定するかのようなメロディライン。

この3部作で作曲やアレンジの中心となったは坂本龍一です。
そして先日亡くなった加藤和彦。
特に坂本は、このヨーロッパ的テイストの重要な立役者のひとり。

彼女の声質、メロディラインを坂本がプロデュースしたことで、ヨーロッパの空気感を創り出すことに成功したのかもしれませんね。

聴けば聴くほど、ハマるアルバムたちです。

その坂本龍一と大貫妙子が、自分たちが関わった曲のなかで、もっとも輝いている、誰にも似ていない個性的な素晴らしい曲、と評価しているのが、Cliche に収録された、色彩都市。

これはヨーロッパの雰囲気を売りにした曲ではありませんが、今聴いても新しい感覚のポップスという評価を与えられる、とても25年も前に創られた曲とは思えない素晴らしさがあります。



大貫妙子の魅力は、ヨーロッパシリーズにおける個性や色彩都市における新しい感性だけではありません。

そのあたりは、また追ってご紹介します。