ボウイのアルバムの中では、比較的語られることの少ないアルバム。

Young Americans
$煩悩の日々
僕の区分けの中では、Ziggy~Diamond Dogsの前期、Station~Lodgerまでの中期の合間に位置する、過渡期的なアルバムです。
過渡期といっても、悪い意味の過渡期ではありません。
重要な橋渡し役、とでもいいますか。

前期がキャラをさまざまな仮想キャラを演じきることがコンセプトだとしたら、このアルバムもその延長線です。

そこで演じられているのは、エセ・アメリカ人。
イギリス人ボウイからみたアメリカ人的なものを演じてると言えます。
それも黒人音楽へのあこがれが強く出て。
音楽は、まさしくホワイトソウル。
それも、相当にうさん臭い、取って付けたようなボウイらしいソウルです。
本人も、プラスチックソウルと呼んでたっけ。

録音はフィラデルフィア・ソウルの本拠地、シグマスタジオ。
デビッド・サンボーンも参加してます。
ここまで徹底して、うさん臭さを演出してます。

しかし、このアルバムの白眉とも言えるのは、何といっても、ジョン・レノンとの共作・共演でしょう。
なぜ黒人音楽への憧れで、レノンと共演なのかは、永遠の謎。

レノンと一緒にやってるのは、Fame と Across The Univers。
前者は作詞作曲を共同でやってます。後者は言わずと知れたビートルズの名曲。



Across The Univers はレノンの曲ですが、ビートルズの中で一番好きな曲のひとつです。
オリジナルでは、慈しむように歌うレノン。
ところが、このアルバムのボウイはまったく違います。

ふてぶてしく、朗々と歌い上げるボウイ。
そこにはレノンの慈しみなどかけらもありません。
それはそれでひとつの形ですが、レノンのファンは嫌~な感じも持つかも。
ちなみに、このアルバムでもっとも好きな曲は、Can You Hear Me です。

このアルバム、ボウイの中では特殊なアルバムです。
だけど、やっぱり好きなんですよね~

このアルバムを出したボウイは、プラスティックソウルに幕を降ろし、リアル・ヨーロッパに回帰する旅に出ることになります。