いつもブログに書いてる音楽への評価は、「音」が中心。
ほとんどの記事が「音=サウンド」についての内容で、「歌詞」に触れたことはないような気がします。
てか、音楽聴くとき、ほとんど歌詞を聴いてないんですよね。
歌はあるけど、それは音というか、人間の声という楽器として聴いてます。
ブリティッシュ中心で英語がとんちんかんだと、あまり、歌詞の内容に心うごかされたりする機会もないので。
それがクセとなり、日本語の歌でも、歌詞をほとんど気にしない人となってしまいました。
ところが。
この人の音楽だけは、歌詞を気にしてしまう。
というよりも、否応なく耳に飛び込んで来てしまう。
そこにある意味を脳みそに押しこんでくる。
言葉で世界を創る天才。
中島みゆき、です。
デビュー以来、相当な数のアルバムをリリースしてます。
僕もけっこう聴きましたが、たぶんそのうちのほんの一握りでしょう。
その中で、僕の好きなアルバムを2枚。
彼女のキャリアの中でも、ひときわ印象的なアルバムです。
生きていてもいいですか。
臨月。
この2枚に共通するのは、「毒」があるということ。
前者には、サウンドに毒があります。後藤次利によるアレンジ。
ジャケットと同じように、暗いモノトーンの世界。
彼女のアルバムの中でも、もっとも重く、暗いアルバムです。
歌詞も救いがなく、叫ぶように歌われる「毒」です。
後者は、その後に出たアルバムのはずですが、音の世界の重さはなくなっています。
歌のトーンも軽くなって、名曲ぞろいでしょう。
しかし、その歌詞には、はっきりと「毒」が塗りこまれていて。
一見軽く、明るく転身した陰に潜む「毒」。
背中に隠したナイフの意味。
この毒の存在に気づいた瞬間に、ゾクッとします。
音を凌駕する言葉。
声という楽器が内包する言葉。
唯一無二の存在でしょう。
