今日はちょっと変わったアルバムを紹介。
いつも変わったものばっかじゃん、と言われるかもしれませんが^ ^
このジャケット見て、誰のなんていうアルバムか、わかりますか。
中森明菜の「不思議」というアルバムです。
別に、私の恥ずかしい趣味教えます、シリーズじゃありません。
アイドルでもない、歌手としてでもない、アーティストとしての中森明菜を評価する、マジなテーマです。
出たのはもう、20年以上も前。
その頃の中森明菜は、歌唱力のあるアイドル路線真っ只中だったはず。
それなのに。
こんなアルバム出すとは。
見てのとおり、ジャケットからは誰だかわかりません。
ヒット曲は1曲もありません。
歌も引っ込んでて、よく聴き取れません。
歌詞なんか、なに言ってるんだか判別不可能な曲が多いです。
明るい曲なんか1曲もありません。
中森明菜による全面プロデュースの、素晴しいオルタナティブ・ロックです。
なんてもの作るんでしょう、この人。
The Dreaming を出した後の、ケイト・ブッシュのアルバムといってもいいような雰囲気。
この前のアルバム「D404ME」というわけのわからんタイトルのアルバムも、重量感のあるドラムと固めのギターをフィーチャーしたヘヴィなアルバムで、これにもヒット曲は入ってませんでした。
でも明らかなラブソングも入ってました。
「不思議」には一見でそうとわかるラブソングは入ってません。
それは「歌」ではありません。「歌」のように聴こえますが、楽器のひとつとなった呪術のような「声」が主旋律を奏で、言葉を紡ぎながら虚空をさまよいます。
中森明菜というアーティストが自分の情念を噴出させたアルバム。
最高です。
リリースする前から、企画段階から、売れないことはわかっていたはずです。
一部の人からは熱狂的に迎えられても、一般ファンからは悪評が噴き出すことは想像できたはずです。
当然、スタッフやレコード会社からは猛反対があったでしょう。
それでも自分の創りたい音楽をやり遂げた。
さすがにこれ以降は路線を変え(させられ?)ましたが、YMOのBGMと同じく、日本の青少年たちに大きな楔を打ち込むことのできたアルバムだったんじゃないか、と思ってます。