Redの2004リマスターに感じた違和感。

S/Nは向上し、分解能も高まり、本来であれば自分の好みの音質になったはずのRedに物足りなさを感じたため、急遽、クリムゾンキングの40周年リマスターの聴き比べを行いました。


煩悩の日々

聴いたのは以下のバージョン。

 ・40周年の2009リマスター

 ・40周年の2004年リマスター

 ・トニー・アーノルドによる1989年リマスター(たぶん最初のリマスター)


STAXラムダによる、ヘッドホン確認。

聴いた曲は21世紀とエピタフ。


こうやって改めて聴き比べてみると、発見があって面白いです。


まず、21世紀について。


明らかに1989年と他のふたつは違いますね。一番違うのがマイケル・ジャイルズのドラムの音と、各楽器の定位。ドラムの音はハッキリとクッキリと出る2009,2004。モコモコの1989という違い。各パートの分離がクリアで、定位がはっきりとした、2009,2004。平板だが、混然一体となった1989。


これに関しては、どちらが良いというよりも、好みの問題もあるでしょう。

僕は2009が好きでした。


予想に反し、最も差が出たのが、エピタフ。


明らかに、2009>2004>1989 でした。

1989は明らかにノイジーで平板です。ノイジー感が取れ、分離も格段と向上した2004。そこから繊細さが増した2009。概略を書けば、こんな感じですが。


メロトロンの音。

1989は明らかに割れてます。厚みが出てるというのとは違う、機材のキャパの問題か。

2004と2009はストリングス系の音としての華麗さが出て、美しい。


2009はボーカル、ギター、ベース、メロトロン、各パートにかかっているエコーが自然で繊細です。

結果、エピタフがとてもナチュラルに、情緒たっぷりに聴くことができます。

これは2004では感じられません。これ聴いたら、もう過去のバージョンに戻れませんね。


ここまで読んで、Redで言ってることと違うんやないの?と思いませんか?


そうなんですよ。

自分でも違う感想をもったことに驚いています。


なぜか。

それは、この時期のクリムゾンと、第3期のクリムゾンの在り方の違いによるものではないかという推測をしています。


極論すると、第1期のクリムゾンは、アンサンブル主体の音楽だということ。そのため、個々の楽器の主張よりも、全体感が重要で、楽器の分離や定位感が音楽としての質を向上させることにつながる。


第3期のクリムゾンは、個々の楽器が主張し、ぶつかりあって、巨大なエネルギーを創り上げているということ。一音一音にいかに存在感があるか。強いフレーズを噴き出しているか。これがこの時期の良さに直結します。

ここでは、強く存在感のある音にポイントがあり、分離性能とかエコーがキレイ、などは無用どころか、むしろ音の持つエネルギーを消しかねない、ため違和感を感じたのではないか、と。


あくまでも推測ですが、今回の40周年リマスターで2009年バージョンを制作したのは、宮殿とリザードだけです。これから他の作品もやるのかもしれませんが。

フリップは、第1期以外でのリマスターの限界を感じたのかもしれませんね。