さて、イーノです。


この人はロキシーミュージック、801などのグループ活動から始まって、ソロミュージシャンとしてのアルバム、コラボレーション、プロデュースなど活動が非常に多岐にわたっていて、ソロも作風がロックや環境音楽、現代音楽まであり、どれが本当のあなた?という感じですね。


アルバムもたくさん出していますが、活動期間が長いからたくさんあるだけで、実は寡作の人だと思ってます。


僕がイーノのアルバムで好きなのは、ボーカル入りのアルバム。それにAmbientシリーズ。

Ambientシリーズの中ではやはり、Music For Airportが傑作でしょうね。


あれは周りの環境ノイズと同程度の音量で聴くのが正しいそうで、だからこそ環境音楽なんだそう。

たしかに音量上げすぎてはいけません。

できるだけ静かな場所で、音量を下げて、空気のように漂わせるのがいいと思います。

緊張がほぐれ、カラダが弛緩しますね。アレを聴いてると。


ところで、イーノの中で1枚だけ挙げろと言われれば、これ

Another Green World 。


煩悩の日々

イーノのボーカルは独特の湿り気があって、歌が特にうまいわけじゃないと思うけど、とてもいい声です。

この声がアルバムのトーンに大きな影響を与えてます。


デビッド・バーンとの共作の最新作では、バーンがボーカルをとってますが、あの声が今一歩苦手な僕には、イーノがボーカルをとってくれなかったのが、残念でなりません。


話は戻って、そのボーカル曲の合間に入る、数々のインストゥルメンタル。

環境音楽のようにダラダラと続かせるのではなく、曲の時間を3分程度に切ってインストゥメンタルを作らせると、この人は天才になります。

ボーカル曲は、そのインストの上に歌詞とメロディが彼の声で乗るわけで、悪かろうはずがありません。

Sky Sawから始まるすべての曲が個性的です。

ロバート・フリップのギターも、荒々しさを隠した優しいトーンで響きます。


そういえば、イーノはボーカルとインストゥメンタル、ふたつのテーマに分けてボックスセットをリリースしたことがあります。それだけ自分でもボーカルの曲というものにも思い入れがあるのでしょう。


そして、・・

このアルバムで最も好きなのが、最後の曲、Spirits Drifting。


短い曲ではありますが、これほど印象的なインストナンバーを知りません。

広い空の中で浮遊している魂、タイトルそのまんまの解釈だけど、イーノのシンセとパーシー・ジョーンズのベースだけで、この音空間を創り上げる才能。

自分の意識すら浮遊していきそうな、感触。

ああ、このままもっと浸っていたい、と思わせて終わる。

だから飽きずに何度も何度も聴いてしまうのかもしれません。


他にもとてもソフィスティケイトされた(といういい方は正しくないかもしれないが)曲がたくさんあります。

この人の音に関するセンスはバツグンですね。


必携です。