先日、退職された女性職員が職場に来ていた。
彼女はご主人の都合により外国に移住することになり、職場を退職された。今回は一時帰国中に立ち寄ったとのことだった
彼女は私と同い年。うちの長男より3つ上のお子さんがいて、再婚されるまではシングルマザーだったようだ
シングルマザーだったと知ったのは、扶養書類のことで質問を受けたからだ。
書類を目にして母であること、更には同い歳であることにとも驚いた
明るい髪色にアイラインとマスカラで目を大きく仕上げたメイク。服装はラフ気味のオフィスカジュアルで、オシャレな人だなと思っていた。
コロナ禍になってからはマスクも黒だった。
職場には私よりも上の年齢の方にも独身女性は多い。それまで私は彼女のことを年下の独身女性だと思っていたのだ。
昼食後、女性職員はたいてい歯磨きをする。
私も歯を磨き、たまにあぶらとり紙で顔を押さえるくらいで、その後はリップクリームを塗る。顔直しの所要時間は1分少々。
だが、コロナでマスクをつけるようになってからはその1分さえもしなくなっていた。
来客も殆どないフロアで働いているし、通勤も自転車だし。デスク周りの人としか顔を合わせることもないしさ
だが、たまたま彼女と一緒になった時、ちゃんとリップグロスまでつけているのを目にしたことがある。なんだろうか、女だなドキッとした
私の周りのママ友は明らかに違う。久しぶりにママ達に会うと、ちょっと肥えたかな?と思うし、白髪もちらほらとみえ、お互い歳をとったねぇ、と思うことも多いので
2年くらい前、まだ一緒に働いてた頃に、彼女のデスクに質問に行ったことがある。
その時はパソコンで質問内容を調べてくれたのだが、左か?右か?の薬指には華奢でかわいい指輪がついていた。
彼女の雰囲気にピッタリとあった指輪は、手元の美しさを引き立てていた。恋人から贈られた物だろうな、と直感で思った。
先日、久しぶりに見かけた時、きれいな人だなとあらためて思った。私と同じ分だけ生きてきた彼女。外国に住むことになるとは思いもしなかったのではないだろうか。
色んな人生があるのだなと思った。
シングルマザーだったことで大変だったことも沢山あったに違いない。不安もあっただろう。
だが、今は輝いてみえた
10年くらい前になるが、息子が幼稚園の頃の同級生の母には、再婚し、息子と孫が同級生の方がいた
その方は少し上の世代かな?と思っていたが、お孫さんがいるとは思いもしなかった。
その方もやっぱりきれいな雰囲気の人だった。
きれいな人、というか、歳を重ねても女だなと思うような人だった。
歳をとると男女ともに性別がなくなり、最終的にはどっちかわからなくなるなと思われるのだが
なんだろう、女性だなと思うのだ
出先でふとした瞬間に鏡に映る自分の姿に、おぃ、性別不明じゃないか、と心の中で突っ込みを入れることがある。
鏡に映る姿は、思っていた自分よりも劣化した自分であることが多い。
もう1度結婚したいと思っているわけではないのだが、いや、ちょっと思っているのかな。
僅かながらでも可能性は残しておきたいな、と思う自分がいる。
そんな風に思っているのは自分だけではなく、旦那もかもしれない。熟年離婚を切り出されるのは私の方かもしれないよな。
人生、何があるかはわからない、だもの。
きれいになるのは無理でも、きれいな雰囲気の人になれるように頑張ろう、旦那には気づかれなくても頑張ろう、そう思った