☆巳年の女
わたしのなかのうつくしい蛇を
かいならせないまま三十七年すぎた
蛇はときに まぶしいくらい白くて
ときに 闇のように真っ黒
わたしのなかをさまよっている
迷子の蛇、主、わたし、のようなもの
恋をしたときそれは貪欲に太り
あなたの身体をぎしぎしとしめあげる
いくじなしになればそれは
黒い海の中を暴れ回り
あなたを金の眼でにらみつけ、ひっぱたく
これを愛と
呼んではいけない
不安や、哀しみや、痛みや、
そんなものにのまれたままで
ああ そうか 蛇は
それをのみ ともにあるために
私の中に生まれたの
美しくありたい
美しいものにあこがれる
いとしいものを
ちゃんとこの手でいたわりたい
闇を糧に
私はあなたを あたためたい
私はそのための恒温動物なのだ
私の中のおそろしい蛇を
ねむらせる、かいならす、活用する・・・?
あなたを、愛したいのです。
@akishibata