「ポリープは切除しました」
女医の声は秋の風のように爽やかにいう
細胞検査でチョット癌性の所見があるという。
癌と聞いてガ～ンときて
しばらく質問が出来ない
女医はにこやかに
来年の予約を取りましょうという
『え・・・癌ですか？あ・・・はい！』
せいいっぱいの曖昧な返事なり
ようように
『内科の先生にデータをお願いします。』
「あ・・・○○先生ですね！」
涼しき笑顔は
「じゃあ、来年の今頃0月0日に予約しますね」と
まるで切符を買うように
一年先の未来を選ぶ
その笑顔に返す笑顔
その笑顔に隠す不安
無智のまま
でも、歩いていく
この身体と
この年齢と
この妻と
【内科定期健診日】
今日の内科は忙しそう
内科の先生が診察室を行ったり来たり
予約時間を1時間近く遅れて、やっと診断
『先生、消化器内科から大腸検査のデータが来ていますか？』
「はい」
コンピューター画面を出して見ている
「ポリープは完全に切除されていますよ。」
『来年の予約を取りましたが？』
「来年またポリープが出来ていないかのチェクです。」
との事・・・チョット安心
診察室を出ると
ストレッチャーが運ばれてきて
先ほどの患者さんが乗っている
小走りに先生が後を追い
ご主人がションボリ付き添っている
病院
多くの人生ドラマの舞台の様だ
但し主人公は
それどころでは無い！
ま～ひとまず1年先の検査を
のんびり待つこととしよう。