【ずいぶんとお久しぶり!】 | 為次郎のブログ

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面白きこともなき世を面白く( ^ω^)・・・ですね!

確かに左横前の歩道を歩いているのはママだ!
 
以前溜まり場のように、午前9時半ごろから、いろんな職業の人が集まり、正に通常では話をしないだろう人達が、わいわいがやがや雑談を交わした喫茶店のママだ!
 
3年ほどに成るだろうか、マスターはここを改装して息子が中華料理屋始めるんや、わしは皿洗いでもするわと言って、嬉しそうに喫茶店を閉めて中華料理店に改装した。
 
中華料理店と云っても、「ヘイ・・・ラーメン一丁」とい中華ではなく、チャイニーズレストランというモダンな店に変身だ・・・
 
そうそう毎日のぞける店ではなくなり、それまでの常連はそれぞれに貸しを変え会うこともなくなった。
 
八百屋さん、電気屋さん、トラック運転手さん、保険屋さん、市会議員、ちょっと裏家業に近い方、等々まず普通では話をしない方達とのつなぎがなくなったことが淋しい。
 
プップッ・・・と軽くクラクション!
怪訝な顔で中越典子似の顔が崩れるようにほころんだ・・・・
「ま~ずいぶんとお久しぶり!」
 
こぼれるような笑顔で、走り寄ってくるママ・・・
「や~お帰りなの・・・家まで送って呉れる・・・・」
 
銀行から会社への帰り道なのだが、途中にママの家がある。
見ると心なしやつれた表情だ・・・・
 
「だめね~毎日着替えして、今日もがんばるぞと思っていた気持ちがなくなるとね・・・」
近況を語る表情には一抹の寂しさが現れている。
 
「マスターは・・・」
と問うと・・・
 
「毎日ぶらぶらよ・・・」
とだけ話してくれたが、それ以上は聞けなかった。
 
まだ還暦にはもう少しと云うところだろうが・・・?
 
人との係わりが無いことが、よほど応えた様に見える。
「一度奥さんのところに遊びに行きたいわ・・・」
「どうぞどうぞ・・・」
 
車を降りたママは、バックミラーに何時までも映っていた。