通り掛かりの資料館に、【根来塗り研修生作品展示会】の看板が見える。
好奇心から・・・ちょいと覗いてみた。
研修生達ちの力作なのだろう?
大きな漆の木を中心に展示されているが・・・

ギャラリー(?)には、お客さんは一人も居ない・・・・
一回りしても、誰も来ない。
部屋の隅に、寡黙で真面目そうな青年が・・・いや真面目な青年が伏目がちに立っている。
「ごめん・・・あなたはここの人?」
『はい、そうです』
と言う答え・・・
「根来塗りって、一度絶えてしまったんだよね?」
『はい、秀吉の焼き討ちで絶えてしまったようです。本格的にこれの復旧に掛かったのは、まだ30年前のことです。』
「そう・・・であなたは今研修生で、技術の習得に頑張ってるんだ。」
『はい、そうです。』
「写真撮って良いかな?」
『良いですよ!』
好意に甘えてパチリ。

元々は、鎌倉室町時代、根来寺には6,000人もの僧侶がおり、日々の食器として薄くて軽く、熱いお汁も手に熱くなくと便利に使って居た物のようだ。
もちろん、高級品もあり

これも使われていくうちに、上塗りの漆がはがれ、中塗りの黒漆が現れ・・・
一服の景色として、楽しまれたようだ。
青年の説明によると、木の器に何度も染料を混ぜた漆を塗っては乾かし、を繰り返すとか?
あの寡黙そうな青年が、生き生きと説明をしてくれた。
キット一角の先生なるだろう?
「ありがとうね・・・がんばってな」
と、後にした。