もう5年も前になりと思う・・・
本を読んで、感想文を書いた記憶があり、今晩(19日)テレビ放映とあって、ちょっと見る気になった・・・
結構ほろりとさせられるところもあり、なかなかの演出である?
<ちょっと偉そうですみません????>
お暇があれば、感想文を覗いてみてください???
【椿山課長の7日間】〈浅田次郎〉
現実離れした話しであるが、どうも「あの世」と「この世」の中間に「冥土」という中間部分があるらしい。
この冥土で、生前の生活態度によって天国行き、地獄行きが決まる様である。
さらに、死んでも死に切れない相応の事情がある人は、一定の審査により、
認定されれば現世に甦りができるという結構な?制度も存在する。
話しは変わるが、既に故人となった桂子雀の得意演目「茶漬け閻魔」という落語があるが、この話を思い出した。
やはり閻魔の庁で生前の行いに対する審査が行われ、天国行き、地獄行きが決定されるのである。
この話しと同様に、浅田氏の冥土も審査基準が最近緩やかになり、ほとんどの方が天国にいけるようである。
話しは、この中で過労死をした椿山課長、人違いで殺されたヤクザの組長、事故で死んだ子供3人の死に対する納得のいかない、あるいは処理しなければならない問題を処理するために姿を変えて、現世に甦り生前の疑問を解いていく物語である。
まことにばかげた話ではあるが、生前には決して気付くことのない人間の深層心理、あまりにも急いで行き過ぎたため、知らず知らずに掛けた大きな迷惑、誤解、また人に与えた影響がその人の人生に大きくかかわっていること。
作者が実際に冥土に行って見て来たわけでもないだろうが、自分一個の存在は、ある意味では大きく、また違う局面では小さい存在であることを感じさせられる。
多分死とは細胞の死で、思考する脳の細胞も、感覚をつかさどる神経の細胞も腐食し
パソコンのスイッチを切る如く「無」になるであろうと想像できるが、時々は今を生きている自分を客観的に見つめ、多くの人に少しばかりの影響と、大きな迷惑をかけていることを認識して振り返る必要が『あるかな~』と思わされる作品であった。
浅田次郎氏は・・・
蒼穹の昴からプリズンホテル、天きり松・・・と・・・
まるで、違う人が書いたのか思うほど、作風が変わる作家だ・・・
最近エッセイが主体のように見えるが、また奇想天外な小説を期待したい!