体験授業で撃沈したアズキ。

なんだかんだ理由をつけて

中学受験という戦場に出る前から

逃げ出そうとしていました。


我が家は基本的に、

「中学受験するなら全力で応援するよ

 でもやるからにはちゃんとやってね」

というスタンス。

だから、中学受験はやめてもいい。


ただ、こうも伝えました。

「今は逃げられても、

 結局受験からは逃げられないよ」


中学受験しなくても、

高校受験はしなくてはならない。

大学受験もきっとするだろう。

いつかは向き合わなければいけないこと。


運良く受験をすり抜けたとしても、

大人になってからこそ学び続けなければ

あっという間に陳腐な存在になってしまう現実を

働く母は知っているのです。

逃げ続けることなどできない。


するとアズキはこう尋ねました。

「高校に行かない人もいるの?」


それはいるよ。

でもね。

受験をくぐり抜けた人は、

目標を決めて

それに向かって努力できる人だって

証明されてるんだよ。

そうじゃない人は、なかなか信用されず

責任のある難しい仕事は任せてもらえない。

できる仕事は限られて

もらえるお金も限られる。


そうしたらきっと今のように

快適な部屋でお腹いっぱい食べて、

ゲームをしたり、時々旅行したりする生活は

できないと思うよ。


最低賃金と月の労働時間で月給を計算し、

おおよその税控除をした上で数字を示す。

東京の家賃はこれくらいかな、

じゃあ1日に使えるのはこのくらいだね、と。


お金は信用のかたち。

そんな風に、アズキが保育園の頃から

私なりのマネーリテラシー教育をしてきました。

それは、私自身が大人になってから

お金でとても苦労した経験があったから。


現実を突きつけられて

神妙な面持ちで話しを聞くアズキ。


一方で

そういったリスク回避の角度だけでなく、

受験をポジティブな機会としても伝えました。


熱望校のHPを見せ、

学校見学にも行ってみた。

強い憧れがあるのに挑戦せずに諦めて

ずっとくすぶった思いを抱えさせるのは

望ましい状況ではないからです。

それに、逃げ癖はつけてほしくない。


それから何よりも重要なのは

アズキを勉強嫌いにさせないこと。

それには粉々になった自信を

回復させるしかありません。


私は中学受験の経験はないけれど

昭和生まれのスポ根経験から、自信をつけるには

自分はやった!と言えるまで

数をこなすしかないと思っています。


そこで、アズキがお友達と遊びに出掛け

貯めていたお小遣い残高が減ったタイミングで

大量の計算プリントを前にこうささやきました。

「●日で全部やりきったらご褒美に1000円あげる」


ここぞという時のニンジン作戦です。

(普段はやりません)


基本的な掛け算や割り算、

繰り下がり等にまだ甘さのあったアズキ。

難易度の低い問題で数をこなし、

小さな達成感を持たせる作戦です。


これは大当たりでした。

毎日着々とプリントを進め、

日を追うごとにきちんと正答率が上がっていく。

目に見えてできるようになっていくことは

本人にとっても面白さを感じられたみたいです。


しっかりと報酬をゲットしたアズキは、

改めて憧れの私立中を目指す決意を固めていました。