「台湾の少年隊」とも言われた

  • 吳奇隆(ウー・チーロン/Nicholas Wu)
  • 陳志朋(チェン・ジーポン/Julian Chen/旧英名:Benny Chen)
  • 蘇有朋(スー・ヨウポン/Alec Su/旧英名:Tommy Su)

の3人組小虎隊(シァオフードゥエイ)

 

少年隊ファンなら小耳に挟んだことがあるでしょう。1989年にWhat's your name?のカバー曲でちょっと有名になった、歌もダンスも人気も少年隊に遠く及ばない「なんちゃって」なグループだと思っていませんか?そんな反応をこれまで随分と目にしてきたのですが、少なくとも人気面に関してはその認識は誤りで、2023年8月時点のWikipediaにはファーストアルバム『逍遙遊』と第5弾アルバム『愛』の総売上がいずれも1,500万枚近くに達した旨が書かれています。Wikipediaでソースとして挙げられているのは新三才という華僑向けメディアの2010年の記事です。

作為華人世界第一個由學生組成的男子偶像團體,小虎隊的確承載了整整一代人的青春記憶。他們曾打破多項中國世界紀錄協會的「世界之最」、「中國之最」,成為當時亞洲最重要的華人流行文化象徵之一。第一張舞曲專輯《逍遙遊》和第五張公益專輯《愛》的總銷量近1500萬張,至今沒有任何亞洲歌手或組合打破這紀錄。

 

引用元:小虎隊20年悲歡 複雜的三角兄弟.新三才.2010-03-05.🔗網際網路檔案館アーカイブ

要約すると

  • 華人界で最初の男子学生アイドルグループ。
  • 中國世界紀錄協會[注1]の多項目の「世界一」「中国一」の記録を塗り替えた。
    [注1]:香港で作られた中華圏ギネスのようなもので、現在は世界紀錄協會(World Record Association)に改称されています。
  • 『逍遙遊』と『愛』の総売上は1,500万枚に迫り、この記録は今でもアジアのいかなる歌手・グループにも破られていない。[注2]
    [注2]:アメリカにはもっと売れてる大スターが複数いますが、アジアだとB'zやBTSでも1,500万枚には届かないようですね。

ということで、同様の記述は新三才以外の多くのニュース記事やWikipedia以外の各種Wikiにも見られます。[注3]

[注3]:1,500万枚の根拠や出典をより正確に知りたいところですが、この手の記録発表時には逐一報道したであろうと推測される蘋果日報が、香港の民主化運動を支持して当局の怒りを買い2021年6月24日に廃刊に追い込まれてしまったため、残念ながら過去記事を確認できません。

 

最盛期は3年ほどしか続かず、陳志朋の兵役中にソロデビューした吳奇隆と蘇有朋が金城武(Takeshi Kaneshiro)・林志穎(リン・ジーイン/Jimmy Lin)とともに四小天王[注4]と呼ばれるようになると、3人組としての小虎隊には賞味期限切れの兆候が表れます。そんな中で所属していた飛碟唱片とその大株主のワーナー・ミュージック・グループの仲が決裂し、1995年に3人が別々のレコード会社へと移籍する形で小虎隊は自然消滅しました。

[注4]:当時の香港では劉德華(Andy Lau)・郭富城(Aaron Kwok)・張學友(Jacky Cheung)・黎明(Leon Lai)の4大スターが「四大天王」と呼ばれていて、台湾版の4人は香港版よりも若手ということで「四小天王」と名付けられました。

 

その後紆余曲折を経て中国に進出した3人がどうなったかというと、吳奇隆と蘇有朋は今も中華圏の巨星として君臨し、陳志朋も存在感を失っていません。例えば中国版のX(旧Twitter)ともいえる微博(ミニブログ)のフォロワー数を見ると

  • 吳奇隆:4,242万
  • 蘇有朋:2,791.6万
  • 陳志朋:544.8万
で、吳&蘇は中国でも大人気な日本勢
  • 赤西仁:314.6万
  • 木村拓哉:250.9万
  • 山下智久:249.2万
よりも1桁多いことがわかります。ともに40歳前後からプロダクション経営や映画監督といった裏方の仕事の比重が増えてきている吳&蘇ですが、表舞台ではアクション俳優としても活躍を続ける吳奇隆をジャッキー・チェンやジェット・リーと比べると
  • 成龍(Jackie Chan):3,117.2万
  • 李連傑(Jet Li):734.8万

となっており、吳奇隆の圧勝です。ただし、微博のフォロワー数は若いタレントの方が多い傾向がある[注5]ので、同じアクション俳優でも69歳・60歳の2人と52歳の吳奇隆の比較はフェアではないかもしれません。

[注5]:41歳の国民的人気女優范冰冰(Fan Bingbing)のフォロワー数は6,304.8万にも及びます。

 


 

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

今回は台湾の少年隊とも言われた3人組小虎隊の、最盛期と現在の人気についての紹介でした。この先、少年隊と光GENJIの天下だったアジアの男性アイドルグループ市場を小虎隊が席巻できた要因や、3人の個性と実力に関する考察をまとめていきたい所存です。

 

私自身、主に1990年代に蘇有朋さんのファンだったこともあり、小虎隊のアルバムを3枚、蘇さんのアルバムを4枚、陳志朋さんのアルバムを1枚持っています。また、最近小虎隊について調べるうちに、俄かに吳奇隆さんに目覚めてしまいました。

 

とはいえ、私は1993年頃までと2020年以降は、根本的に錦織一清さんの大ファンです。今さら小虎隊を調べたきっかけは、単にWhat's your name?の発売記念日が近かったから。アクション俳優に興味を持つようになったのも、ニッキさんのプレゾン中の殺陣やらヌンチャクやら子供の頃の夢の話がきっかけ。吳さんのダンスが実はすごかったと気付いたのも、ニッキさんがFunky Diamond 18で少年隊とは違うダンスを見せてくれたから。しかも、7月中に9割方書き上げてあったこの記事の残り1割を放置して公開が8月中旬にずれ込んだのも、Funky Diamond 18に夢中になっていたからだったりします。

 

この調子ですから、小虎隊ファンの方々から見ると不適切・勉強不足な部分が多いことでしょう。その際は、ご教示いただければ幸いです。