フミカの中学生時代の憧れの人・ケンジ。20年ぶりに再会した彼には、5歳になる子供・ユウキくんがいた。


ユウキ「ヽ(゜▽、゜)ノあーフミカたんだ!J-WAVEで「GROOVE LINE」をやっている、秀島史香ちゃんだー!о(ж>▽<)y ☆」


フミカを見るや、ものすごく喜ぶユウキくん。実はケンジの子供・ユウキくんは重い病気を抱えて部屋から出ることが出来ず、毎日ラジオ・J-WAVEを聞いて過ごしていると言う。中でも「GROOVE LINE」はユウキくんの大のお気に入りの番組で、毎日とても楽しみに聞いているというのだ。


ケンジ「(。>0<。)ゴメン・・・・フミカさん!実はうちの子供・ユウキはキミの番組が大好きでさ。たまたまラジオでかかっていたキミの声を聞いて、すごくフミカさんのことが好きになっちゃたんだよね!!それで、最初は自分も気が付かなかったんだけど、その声と名前を聞いて「アレ?」って思って良き聞いてみたら、あの中学の時の同級生の秀島だって事に気がついてさ!それを子供に自慢したら、「。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。フミカちゃんに会いたい!フミカちゃんに会いたい!」って、言うこと聞かなくて・・・・・本当は渋谷のHMVスタジオまで連れて行ければいいんだけど・・・・・・・・」
フミカ「o(^-^)oううん・・・・・・・・・そんなことないよ。この話聞いて私すっごくうれしいの。だって「GROOVE LINE」というラジオ番組が、こういう小さな子供に夢と希望を与えている(?)・・・・って言うことが分かったんだもん♪:*:・( ̄∀ ̄)・:*:」
ユウキ「ヘ(゚∀゚*)ノねえねえ!!フミカたん!!秀島部長は!?ぼく、秀島部長にも会いたいよ!!」
フミカ「え・・・・・・・?・・・・・・・・・・((*゚ー゚*)うーん、ちょっと恥ずかしいけどこの際だからやってあげるか。)(´0ノ`*)お~い、秀島・・・・

ユウキくんのリクエストに応えて「秀島部長」を野郎とするフミカだったが、それを慌ててケンジが止めた。

ケンジ「(°Д°;≡°Д°;)ちょっ・・・・ちょっと待って・・・・・・・・((((((ノ゚⊿゚)ノ実は、いい忘れていたんだけど、ユウキは「秀島部長」という人物は秀島さん本人じゃなくて、他の誰かがやっていると思ってるんだよ!!あんなきれいな声をした秀島さんが、あんなダミ声を出せる訳がない、と思っているんだ・・・・・・・・だからユウキのイメージを壊さないためにも「秀島部長」という別人物がいる、って言うことにしといてくれないかな?((>д<))」

いつも番組を聞いていて、秀島部長はフミカではない別人物だと思い込んでいるのは不思議だが、フミカはケンジの言った「あんなきれいな声をした秀島さん」という言葉にメロメロになり、またユウキくんの子供の純粋なイメージを壊してはイケナイと思い、秀島部長を完全な「別人物」として扱うこととした。なにはともあれ、フミカはさっきの「5歳児へのマジ告白」による壊滅的ダメージの事などすっかり忘れ、フミカはケンジとその息子ユウキくんと楽しい時を過ごした。

ユウキ「o(;△;)oえ~もう帰っちゃうの~!?やだー!!ユウキ!もっとフミカたんとおしゃべりしたい!!。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。」
フミカ「(‐^▽^‐)フフフ・・・大丈夫ヨ・・・・・心配しなくてもまたすぐにユウキくんの所へやってくるわよ。」
ユウキ「≧(´▽`)≦え~!?本当だよ!!約束だよフミカたん!!」
フミカ「('-^*)/ウン・・・・・J-WAVEのナビゲーターは「嘘」「トークのかみたおし」は絶対しないわ・・・・フフ・・・・それじゃあネ♪」


こうしてケンジの子供・ユウキくんと別れたフミカ。さすがに最初はケンジに子供がいるバツイチだと知った時はショックだったが、ケンジの子供であり、「GROOVE LINE」の大ファンでもある、ユウキくんと心を打ち解けて行くに連れ、ケンジへの恋心とはまた違った「キュン・・・・♡」とした甘酸っぱい気持ちを感じているフミカであった・・・・
そしてその後も、時間があればフミカはケンジの家に通うようになった。最初は仕事のない日の週末に。しかし「GROOVELINE」の収録がある平日にも、ケンジの仕事が遅くなった時などに、フミカは仕事終わりに代わりに料理を作りに行き、J-WAVEを聞きながら楽しく夕食をしたりした。
一方で、「GROOVE LINE」ではユウキが「秀島部長」をフミカとは別人物がやっている物と思い込んでいるので、「フミカの交通安全オヤジギャグ」のコーナーでは、まるで「秀島部長」というキャラクターが、フミカの隣にいるかのように話すようになっていた。その怪しげな行動にピストンが「部長と秀島は同一人物・・・・」というようなニュアンスの発言をしようとすると、ピストンのマイクのカフ(スイッチ)を強制的に下げ、秀島部長というキャラクターが本当にいるかのように聞かせようとした。














フミカ「・・・・でもこれって結局、本当は実在しない「秀島部長」がいるという「嘘」をついていることにならないのかしら・・・・・?ユウキくんに「ナビゲーターは嘘をつかない」って言ったのに・・・・・」
















そう思いつつも、今更あのダミ声の「秀島部長」が美しい声をしたフミカであることをカミングアウトすることも出来ない・・・・・気が付けば毎週のようにケンジの家に遊びに行って、病気で思うように体が動かないユウキくんと会って元気づけているフミカだが、ユウキくんに会えば会うほどフミカは強く心奪われ、純粋なユウキくんの笑顔を見れば見るほど、ユウキくんに嘘をついている自分自身がもどかしくなっていた。








そんなある日の日曜の午後・・・・













クリス・ペプラー「みなさんこんにちわ。今週も「TOKIO HOT 100」のお時間がやって参りました。暑い夏も終わってめっきり涼しくなって参りましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?さて、こういった寒くなり始めの穏やかで暖かい日和を「小春日和(こはるびより)」というんですね。てっきり私は、この言葉は春の温かい日に使う物だとばかり思っていましたが、実は初冬に使う物だと知って、全くこはる(困る)・・・という訳で、まずは先週のトップ10から・・・・」








ユウキ「・・・・・この人って、ものすごくかっこいい声だけど、時々、くだらないダジャレを言うよね。」
フミカ「・・・・・・・・・・・・・・・・」
フミカは何も言い返せなかった。




フミカ「ねえ!そういえば、今日ケンジさん・・・お父さんはどうしたの?今日は朝からいないみたいだったけど・・・」
ユウキ「ヽ(`Д´)ノ知らないよ!今日はフミカちゃんが来るから、安心してどこかへ遊びに行ったんだよ!!」
フミカ「コ・・・・コラっ!!なんて事を言うのユウキくん!(フミカはそんな「都合のいい女」じゃないもん・・・(-""-;))きっと大事な用事があって出かけちゃったのよ。それにフミカちゃんは、ユウキくんに会いたいから来たくて来たのよ♪o(〃^▽^〃)o」
ユウキ「о(ж>▽<)y ☆わーーーー!うれしい!!うれしい!!ぼくフミカちゃんのことが大好きだよ!!!・・・・・・・・・あ~あ、なんでフミカちゃんといる時はこんなに楽しいんだろう♪フミカちゃんがパパと結婚してぼくのママになれば、こんな楽しい一日が毎日過ごせるのに・・・・」





フミカ「!!!」





フミカは・・・・・・・もう何も言えなかった・・・・最初は学生時代の憧れだったケンジのことが好きだった。しかし今はもう、ケンジの子供・ユウキくんのことしか頭になかった。重い病気で外に行くことも出来ないユウキくん・・・・・そのユウキくんのために少しでもそばにいたい!!ユウキくんの事をずっと面倒見て、いつか外で遊べるまで元気になってもらいたい!!!



















そのためなら、J-WAVEのナビゲーターをやめてもかまわない・・!

















いつしか本気でそう思うようになっていたフミカだった・・・・・


「・・・・・さん・・・ねえ、秀島さん!!」


フミカ「(((( ;°Д°))))ハッ・・・・はいっ!!?」
ケンジ「(。>0<。)ごめん!!すっかり遅くなって!どうしても人と会う用事が出来てしまって・・・・・それよりユウキ喜べ!!いよいよ手術の日程が決まったぞ!この手術に成功すれば、いよいよユウキも外に出られるぞ!」
ユウキ「(((゜д゜;)))エーーーー!!?本当!!?」
フミカ「( ̄□ ̄;)それは本当なの!!?ケンジくん!?やったね!ユウキくん!!≧(´▽`)≦」
ユウキ「о(ж>▽<)y ☆ヤッター!ヤッター!!!じゃあ、これで手術を受けて元気になれば、ぼくフミカちゃんがいるHMVスタジオでフミカちゃんの仕事が見れるんだね!!」
ケンジ「そうだぞユウキ!!明日から入院して、水曜日には手術だから、うまく行けば二週間後にはフミカさんの「GROOVE LINE」を生で観に行けるぞ!!」
ユウキ「(^O^)/わーい!ヤッター!ヤッター!!!о(ж>▽<)y ☆フミカちゃんの仕事が見られる!ピストン西沢さんにも会える!!そしてぼくの大大大好きな「秀島部長」にも遂に会えるんだー!!!(≧▽≦)/」
フミカ「( ̄□ ̄;)!!!!!・・・・そうだった・・・・ユウキくんが手術に成功して元気になってHMVスタジオの「GROOVE LINE」にくれば、秀島部長がいないことが分かってしまう・・・・そうしたらフミカがユウキくんにずっとウソついたことがバレてしまうじゃない・・・・・!!」


ユウキくんが元気になることは心からうれしい。しかし、元気になって「GROOVE LINE」の収録に行くことができれば、フミカが今まで嘘をついていたことがバレてしまう・・・・・「うれしさ」「苦しさ」が交錯するフミカ・・・・・・・そしてフミカが出した結論は・・・・











































フミカ自身が「秀島部長」になることだった。






ピストン「Σ(゚д゚;)・・・・な・・・・・・・なんて格好してるんだ。フミカ・・・・・?」
秀島部長「(野太い声で)ヽ(`Д´)ノフミカじゃない!私は秀島部長だ!!(´0ノ`*)お~い、お~い秀島クゥ~ン・・・・よしこれだ!:*:・( ̄∀ ̄)・:*:ハハハ・・・コレでユウキくんが来ても安心だ・・・・なぜならいるはずのない「秀島部長」はここにいるのだからな・・・・フフフ・・・・」

本来存在するはずのない「秀島部長」が本当にいることを証明するために、自ら秀島部長になったフミカ。たしかにこれでユウキくんがHMVに見に来ても、このコスプレで秀島部長がいることは証明できるが、そのとき「交通安全オヤジギャグ」を一緒にやっているはずのフミカ自身は一体どうするのか・・・・・?など、全く考えていないフミカであった。

フミカ「・・・・・・・・遂に手術は明日ね、ユウキくん。手術はお昼くらいだって言うから、手術が長引かなければ、励ましに行けるわ♪」
ピストン「おいフミカ。何やってるんだ!もうすぐ番組始まるぞ!」
フミカ「(→o←)ゞおっと、イケナイイケナイ・・・・今日もきっとユウキくん、入院している病院で「GROOVE LINE」聞いているはずだわ。明日手術を受けるユウキくんに頑張ってもらうためにも、今日の番組で元気を上げなくっちゃ♪」

・・・ユウキくんのためにもいっそう張り切るフミカ。しかし番組開始3分前。思いもよらないメールがフミカの携帯に入って来た。


フミカ「・・・・?(・・;)ケンジさんからだわ・・・?何だろ・・・・?・・・・・・
(((( ;°Д°))))ええ!!?ユウキくんが!!?」







それはユウキくんの体調の急変を知らせる緊急メールだった。