カーポートの上の積雪は住宅の屋根よりも多い…あまり知られていない事実です。

  ニュースで『 都内は10センチの積雪がありました 』と言っていたら屋根の上の方は 5 cm、道路が10 cm、カーポートの上は 15 cmというのが相場です。

なぜでしょうか?

   温かい空気は軽いので天井に向かって上昇します。このため屋根裏は案外 温かく

なります。屋根の上の方では融雪装置が取り付けられた状態になり雪が溶けて地面の

雪ほど積もらないのです。

 

 一方、カーポートはどうでしょう? カーポートは上下を風が吹き抜けます。

 ポリカーボネートの板の下面に結露した水滴が強い風によって気化し、この時、

気化熱が奪われて冷えます。注射のとき消毒のために塗ったアルコールが瞬時に

蒸発してスーッとするのと同じ現象です。また積もった雪が結晶の状態から いきなり気化する昇華という現象も起きます。製氷皿の氷が いつの間にか小さくなって

いるのがこの現象です。 このように上下から強制空冷で冷やされるのであまり雪が溶けません。 その結果、積雪が多くなるのです。

 

 寒い日はニュースなどで『 橋や高架橋の上は路面凍結していることがあります。

スリップに注意してください』『 歩道橋の上はまだ 雪が残っている所があります。

足元に御注意下さい』というアナウンスがされたりしますが、橋や歩道橋と

カーポートが冷えるのは全く同じ原理なのです。

 雪の多い地方ですと そもそもカーポートの屋根を支える支柱の本数が多かったり、簡単に取り付けられる補助の支柱を準備していたりするのですが 首都圏ではあまり

見られません。 片側にしか支柱がないタイプのカーポートの屋根は飛行機の翼と同じように風が吹くと上に持ち上がる力が働きます。この繰り返しによる金属疲労で つなぎ目が弱くなりやすいのです。そのため都内ではそれほどの大雪でなくてもカーポートが潰れているのを見かけることがあります。

 

 あなたが思うよりカーポートには雪が積もっています。ご注意ください。