今日、暁美に空気を入れた。
暁美は私の足であり友である、極普通のママチャリ。
近くの自転車屋さんに連れて行った。
先客がいた。
すぐだろうから、待つことにした。
おじさんで、自分の自転車の前輪に手早く空気を入れ、笑顔で「ハイっ」と私に渡してくれた。
私は受け取りながら「後ろはいいんですか?」と聞いた。
おじさんは笑顔のままうん、とうなずいてやはり素早く帰りかけたので、大きめに「ありがとうございます」と言った。
何か気持ちのいい人だったな、と思いながら空気を入れていると、新たに一人来て待ち始めた。
私はなるべく急いで空気を入れて、次の人に渡した。
渡す時、またいつもよりはっきりした声で「お待たせしました」と言ってみた。
そしたらその人も笑顔ではっきり「いいえ」と言ってくれた。
何かが、おじさんから私、私からその人に渡ったみたいに思えた。
空気が入った暁美は、昨日までの重みが嘘みたいに軽くなって、なんか20歳くらい若返ったみたいだった。
空気が入るってすごい!
全然違う!
私はしばらく感動しながら走った。