今日から3回にわたって「自分軸」について
書いてみたいと思います
今回は 「舌切り雀」のお話
この昔話は
正直で優しいおじいさんと
欲張りで意地悪なおばあさんの
勧善懲悪物語ってことになってますが
ほんまに?
おばあさん 気の毒すぎひん?
冒頭部分
おばあさんは洗濯物を干し
おじいさんは子雀と遊んでいる
おかしくない?
子雀がいるなら 季節は春から初夏にかけて
洗濯物を干しているなら天気は晴れ、時間は朝
じいさん なぜ野良に出ないのか?
働け。
楽隠居できる余裕、ないやろ?
おばあさん 洗濯糊を雀に食べられたと言って
激怒してるぐらいなんやで?
そこまで怒るのは
この糊を作るのがそれぐらい大変ってこと
余ったご飯で作ったんではなくて
お釜の蓋に噴きこぼれたおねばを集めて
お釜の底を刮げて
何日もかけて やっと、やっと溜まった
一反分の糊やったんちゃう?
その糊も自分が着る着物のためじゃなくて
冬の農閑期の間に織り上げた反物のため
少しでも高く売るために
見栄え良くするための糊
それを全部食べられてしまった
また集めていたら何日かかるか分からない
袷から単衣に変わる衣替えを迎えてしまう
高く売れる時を逃してしまう
そら怒るわ
貴重な現金収入 アテにしてたのに
おばあさんは子雀の舌を切り
それがタイトルになるぐらい
責められてますが
後に子雀は「雀のお宿」でツルツルと流暢に
「おじいさん どちらのつづらがいいですか?」
などとしゃべってるんで 大したケガじゃないです
それなのに じいさんは
「おお かわいそうに」とか言って
飛んで行った子雀を追いかけていってしまう
健脚やん
働け。
「可哀想なんは 私やーっ!」
と言いたいところを おばあさんは黙って堪える
眉間に皺が寄る
口角がぐっと下がる
本当は子雀じゃなく じいさんに怒りたい
でも あのじいさんに言っても無駄だから
言わない
なぜ怒っているのか 聞こうともせず
理解しようともせず
ぐうたら寝転がって
的外れなアドバイスをしてくるから
余計に腹立つ
じいさんに期待して失望する暇があったら
自分で動いた方が早いし、確実
やることはいっぱいあるし。
こうして
一人で休む間もなく働いて
おばあさんは人より早くお婆さんになってしまった
さて、子雀を追いかけて行ったじいさんは
小さなつづらをお土産にもらってくる
それはいい
それはいいけど
「わしは年寄りだから小さい方をもらってきた」
ってなに?!
なぜ頑張って、大きい方を持って帰らない?💢
「なんでこの人は 自分だけ すぐ楽をしようとするのか」
「小さいつづらの物を売っても
借金を払えば終わりじゃないか
大きいつづらなら
種や苗も買える
嫁に行った娘に着物を買ってやれる
孫においしいものをたくさん食べさせてやれる
暮らし向きを楽にしてやれるものを」
「それなら私がもらってこよう」
「年寄りの 女の私でも運べることを見せてやろう」
おばあさんは雀のお宿に出向いて
大きいつづらを選んで もらってくる
この行動が 欲張りと言われるんですが
本当に欲張りなら
大きいつづらも 小さいつづらも
両方持って帰りますからー
そして帰り道、おばあさんは考えるだろう
「このまま家まで運ぶより
市に行って売れるものは売ってこよう
お団子でも買って娘の家に寄り
いくらかでもお金を置いていってやろう」
けれど
何が入っているか開けてみれば
化け物が出てきて
おばあさんは食べられてしまう
雀、やりすぎ
(化け物どうやって詰めてん)
その最期の時
おばあさんは何を思ったか
「小さいつづらのものなんて
おじいさんはすぐに無くしてしまうだろう
その後 どうやって暮らしていくのだろう」
働かないお荷物男のおじいさんを抱えて
自分がやらなくては生活が回らない
と思い込んでいたおばあさん
毎日必死に頑張っていたおばあさん
我慢に我慢を重ねて働いていたのに
意地悪、欲張りと言われて
化け物に食べられてしまったおばあさん
なぜ食べられないといけなかったのか
次回は おばあさんが見失っていたものについて
考えていきたいと思います
ではまた明日