まず、この記事は閲覧注意。
とてもショッキングで、悲しくて、怒りが湧いてくるような事件である。
生々しい表現もありますが、できるだけ忠実に伝えるべくそのままとさせていただきます。
では、お伝えします。
事件の場所は、台湾の労動部労動力發展署北基宜花金馬分署(新北市)。
11月2日、39歳の男性公務員は、署に出入りしていたのがカメラに撮られた。
11月3日、午前10時、39歳の男性公務員は再び署に入った。
11月4日、早朝、39歳の男性公務員はオフィスで首吊り自殺していたことが発見された。
すでに硬直していて、冷たくなっていて、救急隊員はその場で死亡を宣告。
しかし、39歳の男性公務員の上司 謝宜容氏からの「病院に運んで救ってみよう」「白い布をかけるな、みんながパニクる」との命令で、救急隊員は、39歳の男性公務員を車椅子に座らせて、エレベーターに乗せて、救急車で病院に向かった。
事件後、謝氏は、部下たちを集めて、「職場のいじめはない!このことを拡散するな!分かった?」と、部下たちに対して口裏合わせの命令を下し、部下たちが一斉に「はい!」。
さらに、謝氏は、「葬儀社のある人は霊と話すことができる。彼(39歳の男性公務員のこと)と話をした。彼はとても穏やかよ。そして署に感謝していたって」と発言。
しばらくして、このことが公に出た。
実は、男性は長い間、謝氏からのパワハラを受けていたことが発覚。
その内容は、
①休日も上司の対応をしなきゃいけない。上司からの連絡が来たら、1分以内に返事をしないといけない。
②上司からの仕事が大量。男性は毎日のように朝6時に出社、夜遅くまで署に滞在。
③タイムカードを押してから、さらに働く。
④残業代がもらえない。
⑤上司に頻繁に理不尽に怒鳴られる。
11月2日と3日は、土曜日と日曜日。
土日でも働かなきゃいけないなんて。。。
事件後、労動部による調査があった。
調査の結果は「いじめによる自殺ではない。謝氏は部下を激励するために怒鳴っていた。」
しかし、同僚の死を受けて、次から次へとメディアに労動部の内部告発が届いていた。
① 会議の時に、必ず部下たちは2列に並んで上司の来場を待たなきゃいけない
② 食べ物飲み物を上司の自分が持つのは格下げだ、と部下に持たせる
③ 「トイレに行くのは時間がもったいない、水を飲むな」
④ ミスをしたら走らせられる
⑤ 視覚障害の人に対して、メガネを変えた方がいい、との障害者差別発言をした
⑥ 税金で贈り物を購入し立法委員に贈呈した
⑦ 高価な食事をする
などなど。
謝氏が就任してから、2年も経たないうちに、81人が離職した。うち17人は管理職。
多くの公務員はパワハラに耐えられず、他の部署への移転の要望を出したり、薬を飲んだりした。
ではそもそも、なぜ、謝氏はこのように威張れるのか?
謝氏は、民進党の重鎮中の重鎮で現在台湾の監察院 院長である陳菊氏の派閥の前勞動部長 許銘春氏が抜擢していた人で、同時に勞動部勞動力發展署署長 蔡孟良氏の大のお気に入り。
一言で言うと、バックグラウンドがコンクリートのように強くて硬い。
現在、労動部の部長 何佩珊は、当初は「解雇する権利がない」と言っていたが、世論のバッシング・批判に耐えられず、急遽謝氏を免職とした。
謝氏は、責任は認めたものの、自殺は自分と関係ない とコメントした。
本件について、台湾の総統と行政院長が相次いて謝罪した。しかし、国民の怒りは全く収まる様子がない。
まだまだ伝えられるが、一旦この辺で。
最後、1つ皆さんに頭で浮かべてみていただきたいんですが、
首吊り自殺して既に硬直した遺体。
その遺体を車椅子に乗せる。(足も腰も硬直しているのに、どうやってやったのか?)
普通に他の人と一緒にエレベーターに乗る。(顔は?身体は?)
その様子を想像できますか?
本来、しなきゃいけないのは、警察を呼んだり、現場確認をしたり、白い布をかけたり、一般人が乗らないエレベーターに乗ったり、だと思うが。
それをしなかったのはなぜ?
そして、調査した報告書(「いじめによる自殺ではない。」に違和感。
集団で事件を隠蔽をしたかったのか?
書かずにはいられない今回の事件。
亡くなった 39歳の男性公務員は、本来、命を落とすことはなかった。
今年の2月にすでに内部告発があった。当時私はこのニュースを見た気がする。しかし、謝氏の暴走を誰も止めなかったのか。
酷すぎる。
亡くなった 39歳の公務員、彼は自分の命と引き換えに、何を訴えたかったのか?
では。