カプセルホテルもIoT化 カフェや浴場の混雑が一目で分かる

 

ホテルは伝統的にハード・ソフト・ヒューマンで成り立っているといわれるが、いまテクノロジーサービスの提供という新たなフェーズへ突入しつつある。

 ホテルのテクノロジーと聞いてまず思い浮かべるのは“ロボット”だ。ホテルならではのホスピタリティは、人的サービスの提供が絶対条件ともいえるが、そんな常識をロボットは覆そうとしている。

 すでにロボットを導入しているホテルの代表格は、「変なホテル」だ。メインスタッフがロボットで、「世界初の、ロボットが働くホテル」としてギネスにも認定されている。多言語対応のロボットによる受付、荷物を預かるロボットアーム、客室にはコミュニケーションロボットも。

 現在、ハウステンボス(長崎)、ラグーナテンボス(愛知)、舞浜(千葉)の3か所で展開されているが、稼働は好調で大阪、京都、福岡などに10店舗の新規開業を予定しているという。ロボットの活用は業務の効率化、生産性の向上などに資することはもちろんだが、エンターテインメントの提供という点でも見逃せない。

 もちろん、スタッフからの直接的なおもてなしを求めるゲストには受け入れられないだろうが、ホテルのホスピタリティという常識から逸脱しつつ、ロボットホテルという独自のスタイルをカテゴリー化しつつあることは、新たなホテルのスタイルとして注目すべきだ。何より、宿泊特化型のホテルにして滞在の楽しさを提案している点は秀逸である。

 ところで、変なホテルの客室にはスマートフォンが設置されている。ホテルアメニティとして導入されたスマートフォン「handy」だ。 国内だけでなく海外にも自由に電話ができるという。通話料金は無料。滞在中は客室からの持ち出しも可能で、もちろんインターネットデータ通信を無料・無制限で利用できる。

 handyは2017年7月にスタート、ホテルゲストが無料で使えるスマートフォンレンタルサービスで、handy Japan 株式会社が展開する。一気に火が付き国内契約台数15万台を達成、20万台へ届く勢いだという。ホテルばかりではなく旅館への導入も。いま最も注目されている最先端のホテルサービスといえる。

 SNSアプリやカメラアプリ等、自分の好きなアプリを自由にダウンロードして利用でき、お得な旅の情報提供、ホテルが提供する商品やサービスの限定クーポンの受け取り、外出中も1クリックでホテルのコンシェルジュに電話でつながるなど多彩なサービスを提供する。もちろんデータ完全消去機能も完備。

 個々人がスマートフォンを持つ現在、使い勝手の良さをはじめ更なる利用価値の打ち出しなど、旅行者や滞在者に対して独自の進化を打ち出せるのか注目だ。いずれにしてもhandyがホテルセレクトの理由と結びつくことがホテルにとっての導入メリット。handyが客室の必需品としての地位、存在感を確立できるのか注視していきたい。