例年、打ち上げ花火の音が聞こえたり
盆踊りの太鼓の音が響いてくる筈の夜、今年は静か・・・
時刻は19時を少し回ったところなのに外は既に暗い。
立秋を過ぎて日は明らかに短くなっていて、
確かに秋はそこまで来てはいるのだと思う。
天気予報が、現在の気温が35度あると告げている。
異様な暑さ
いくら暑くとも、昔は夜になると涼風が立った。
幼い弟とわたし、薄い布団に並んで寝転ぶ傍らで
母が団扇の風を送ってくれる・・
昼間の疲れからか母はうたた寝をし・・団扇の手が止まる。
「お母さん暑いーー」と口々に言うわたしたちに
「静かにしていてごらん・・窓から風が入ってくるから・・」
やがてひとすじの風
「ほら、極楽の風・・・極楽から風が吹いてきてくれた・・」
簾を揺らして吹く風がほんとうに心地よかった。夏の夜
盂蘭盆会
梢を渡る風も
花の香り
夏の光も
直に手に取ることはできない。
人も、
もういなくなった彼らもまた
触れることは出来なくなってしまったけれど
感じることは出来る。
思いは胸の中に生きている。
懐かしい懐かしい、夏の夜
お花はローズマリー
