次の更新は大晦日とお伝えしたのですが・・・
昨夜某ドラマを見ておりましたら
光秀とその奥方さまが新築の坂本城の天守から琵琶湖を眺めながら
光秀 「月は舟 星は白波」
煕子 「雲は海いかに漕ぐらむ」
光秀、煕子声を揃え見つめ合い 「桂男はただひとりとて」
あーーーいいなぁ。わたしも夫とこんな会話がしたかったよ。
と、まあこれはさて置き
月は舟 星は白波 雲は海 いかに漕ぐらむ 桂男はただひとりとて
月は大空を渡る舟、星は波しぶき 雲は広い広い海
こんなに広大な空をどうやって渡るというのだろう。
月舟の船頭(桂男)はたったひとりしかいないのになあ
大好きな「梁塵秘抄」です。
梁塵秘抄は平安時代末期の歌集で、時の上皇後白河が編纂しました。
万葉集や古今のように雅なものではありません。
当時の民衆が愛誦した今様(いまよう)という歌が収められています。
今でいえば、ミリオンセラーのヒットソング?
軽やかでリズミカルで美しい調べに合わせて人々は舞い、口ずさみました。
その数々を集めたものです。
遊びをせんとや生まれけん
たわぶれせんとや生まれけん
遊ぶ子供の声聞けば
我が身さへこそゆるがるれ
遊びをするために生まれてきたのだろうか
戯れをするために生まれてきたというのか
無心に遊ぶ子供の声を聞くと
知らず、この身が揺れ動くことよ
仏は常に在(いま)せども
現(うつつ)ならぬぞあはれなる
人の音せぬ 暁に
ほのかに夢に見えたまふ
ほとけさまは必ずいらっしゃいますがお目にかかることができません。
ただ、皆が寝静まっている明け方の夢に、ちらっとお出でになることがありますよ。
暁の夢に現れるほとけさま
いかにも儚くて美しいなぁと感じます。
愛らしいうたや美しいうたばかりではなくて
こんな面白いうたもあります。
我を頼めて来ぬ男
角三つ生ひたる鬼になれ
さて 人にうとまれよ
霜、雪、あられふる 水田の鳥となれ
さて 足冷たかれ
池の浮草と なりねかし
と揺りかう揺り ゆられ歩け
あんなに固く約束したのにあてにさせておきながら通ってこなくなった憎らしい男
あんな奴、角が三つも生えた鬼にでもなって人に嫌われるといいわ!
霜や雪やあられの降る冷たい水田の鳥になって立ちつくし足が凍ればいいんだわ!
そうでなければ池の浮草みたいにあっちに揺れこっちに揺れてさまよい歩きなさいな!
さまよい歩いて野垂れ死んでしまえ~~とばかりに毒づく女、
振り向いてくれない男には新しい女が出来たのでしょうか。
呆れるほどの怒りの表現は天真爛漫でいっそあっけらかんとした清々しささえ覚えます。
こんな歌が似たような思いを知る女たちにもてはやされて愛されて今に残って・・
今様ってやはり艶歌?流行歌みたいですよね。喜びあり悲しみ恨みもあれば愛もあり!です。
お終いは愛のうた
恋しとよ君恋しとよ床しとよ 逢わばや見ばや見ばや見えばや
恋しいあなたが恋しいなつかしい 逢いたいの見たい見たいの見せたいの
望んでいるのは愛しいあなたに逢うこと見ること、さらには見せること見てもらうこと。
同じ言葉を連ねることで切実な思いが伝わってきませんか?
そして次のうた
恋い恋いて邂逅(たまさか)に逢いて寝たる夜の夢は如何(いかが)見る
さしさしきしとたくとこそみれ
さしさしきしとたくとこそみれ・・・腕を差しのべきしきしと音がなるほど抱き合い・・
エロチックなのに少しも厭らしくはなくて当時の女性のなんと素直で大らかなことか。
梁塵秘抄にはこの他、親の心情をうたったものもあり、幅広く深い歌集です。
今様とは現代風とでも言い表せばよいのでしょうか。
当時の庶民感覚や風俗思考までも読み解けるようで面白いなぁといつも思うのですが
これらを編集し梁塵秘抄と名付けられた後白河法皇さまとはさぞや面白いお方であったろうなと。
畏れ多くはあるものの語りあってみたいなと思うお方のひとりです。
随分長くなってしまいました。おしまいまでお付き合いくださってありがとうございました^^
夜が更けて窓辺から冷気が伝わってきます。湯冷めしないうちにお布団にもぐります。
逢えずに寝たる夜の夢は如何見る?寂しいですねえ、
仕方ないからこの子でも傍らにひき寄せて休むことに致しましょうか。
あったかいのですよ(((o(*゚▽゚*)o)))
おやすみなさいませ。
