『 わかった…俺には何も言う資格はないから
そうするしかないよな』

夫は力なくそう言った


そう、あなたのおかげでこれまでの幸せな 
家庭はぶち壊された

楽しかった
必死で守ってきた
息子も夫も愛していた
私の人生そのものが崩壊した

暴れる力もなくなり、涙しか出てこない
生きていることが辛いと感じていた


どのくらい時間が過ぎたのか
夫が口を開いた

『今から相手に連絡をして、金輪際会わない
事をこの場で誓う』と電話を手にした

『 あ、あのさ…』と話し始めた瞬間
夫から電話を奪った

『主人が散々お世話になりました。おかげで
うちの家庭はめちゃくちゃです。既婚者だとわかっていた以上、こうなる覚悟もおありですね』
冷静さも何もあったもんじゃない、相手の言い訳など聞きたくもなかった
『主人に二度と関わらないで、今後のことは
私から連絡します』と言い捨てブチッと
電話を切り、そのまま携帯を破壊した

夫は何も言わなかった