クラブW杯決勝 | たまたまや、ゆうねん

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クラブワールドカップの準決勝、決勝の鹿島アントラーズの戦いっぷりはすごかったですね。

 

準決勝。

技術、スピード、センスともに南米王者のアトレティコ・ナシオナルの方がすごかったわけですが、鹿島は3−0で下します。アトレティコ・ナシオナルのの素早いパス回しに翻弄されつつも数少ないチャンスをきっちり得点に結びつけました。アトレティコ・ナシオナルの何本ものシュートはギリギリのところで枠内に入らなかったので、鹿島は運を味方につけた部分もあったのではないかと思います。

 

決勝。

素早いカウンターサッカーで、裏への飛び出しが世界ナンバー1か2のクリスティアーノ・ロナウドを擁するレアル・マドリードが相手でした。FCバルセロナ程ではないにせよパス回しも早く巧みです。鹿島はここであるサッカーを徹底しました。

 

近代サッカーには戦術が大きく3種類あって、ひとつは徹底的に引いて守り、カウンターを狙うサッカーです。ひとつは徹底的にプレスをかけてショートカウンターを狙うサッカーです。最後にご存知パスサッカーです。

W杯南ア大会で日本代表が徹した戦術が引いて守ってカウンターという第1のサッカーでしたが、このクラブワールドカップ決勝での鹿島はプレスをしかける第2のサッカーに徹しました。中盤では複数でプレスをかけていきました。GK以外の全員が走り続けるサッカーです。かつて加茂監督日本代表にさせようとしたゾーンプレスがほぼこの戦術と言っていいと思います。中盤で二人もしくは三人でプレスを掛け、パスコースを限定し、そこへ逃げのパスを打たしてそれをカットする。これは間断なく走り続ける戦術なので、延長戦を想定しない作戦になります。

 

よどみないパスサッカーが強者のサッカーとすれば、プレス&ショートカウンターがその次のサッカーで、引いて守備ブロックを作ってからロングボールを前線に蹴りだすサッカーが弱者のサッカーといえるのではないでしょうか。

 

この三つの戦術のほか、ドリブルサッカー(ジンガ)やロングボール(たてぽん)サッカーがありますよね。

 

パスサッカーがなぜ強者のサッカーかというと、1対1で負けない、めちゃめちゃ上手い選手を取り揃えておかないとなかなかうまくいかない戦法だからです。FCバルセロナやバイエルン・ミュンヘンクラスの強者じゃないとなかなかうまくいきません。FC東京はパスサッカーを目指しているようですが、なかなか勝てません。

 

プレスサッカーが、世界最強のレアルに対して有効だったということがはっきりと証明された90分だったように思います。レアルは最初エンジンがかからず、前半全体がエアポケットに入ったかのような状態でした。鹿島は頭から全開で複数によるプレスを敢行しました。相手1人に対して2人3人で寄せるとどこかにスペースが空くわけですが、残りの選手たちがうまくスペースを潰していたように思います。

延長になるとさすがの鹿島も足が止まり、エアポケットが現れます。そこにきっちりクリスティアーノ・ロナウドが押し込みました。

鹿島は負けましたが、プレスサッカーのお手本のようなサッカーをしてくれたように思います。

日本代表がいまいちレベルの壁をあるレベルの突破できないのは、パスとプレスがどちらも徹底されてないからではないかと思いました。プレスサッカーは運動量の豊富な中盤と走るサイドバックが必須です。鹿島はそれ以外にセンターバックまでが走り回ってました。

 

プレスサッカーの底力をみせてもらったような気がします。