この本は初版が平成5年である。ちなみに文庫本なので、単行本が存在していればもっと前に出ているし、たぶん雑誌の連載記事を集めたものだから、最初に書かれたのは平成元年ごろか?

 著者は日本通のフランス人。たぶん日本語もぺらぺらなのだろう。日本的な冗談も折り込まれ笑うに笑えない妙味が心地いい本である。

 本棚の整理をたまたましたときに手にとってパラパラやると書かれたのが平成元年として、作者が提案したことや疑問が30年経っても全く同じ状態で今の世相でも問題になってることがあきれてしまう。

 例えば少年法。これだけ少年の凶悪犯罪がはびこっていると言うのに相変わらず20歳まではプライバシーは保護されるはやたら軽い処罰だわ。

 この本では著者は少年法は16歳までにしたらいかがかと書いているが、今ではせめて小学校3年までにと言い換えた方がいいぐらい。

 他の項目でもうなずくことばかりで30年経っても何も変わってないことに愕然とするばかり。

 そりゃあ一外国人の戯言など聞いていられるかって意見もあるだろうが、文面からして根底には日本のかつての折り目正しさやモラルが高かったことを絶賛し、愛国心のあることが感じられ。ノスタルジーというより、なんとか復活してもらいたいと言う心情が文の端々溢れている。

 ま、期待する方が馬鹿で徒労だとも思う。低きに流れる水をまた上に汲み上げるのはまずふかのうだろうし。

 この本を要約してマニフェストにしたら面白いと思うが、忖度ばかりの問題意識のない私腹肥やしの政治屋には坊主の読経のごとく理解不能だろう。