突然の入院ネタ、最終話。
今回はちょっと暗くてめんどくさい話を書きますので、明るく楽しい話題を好まれる方はここまで。
仕事帰りの水曜の夜に突然入院が決まって、翌日の木曜にはこれまた突然手術。
金曜は激痛に何とか一日耐え、土曜の朝を迎えた。
体中につながれたいろんな管も取ってもらった。
正直、まだ傷口はとても痛いし丸2日絶食させられたせいでフラフラだったけど、
どうしても耐えられない理由があって、退院したかった。
それは、病院の持つ「死の臭い」に耐えられなかったのだ。
別に病院が不衛生で臭いなんて話では無い、病院は極めて清潔できちんと管理されていた。
僕が居た病棟は僕以外、皆老人ばかりだったのだ。
しかも、僕のような軽い病気とは言えない様なモノではなく、重病人ばかり。
夜どおし響くうめき声、全く動かない寝たきりの人、生気の無い眼
やがては僕らもそこへともれなく向かう事は知っている、人間の死亡率は100%だから。
でも、まだそこには行きたくないという衝動と言うか念みたいなものに駆られ無理やり僕は退院した。
こんなもの現実逃避である事は良く解っている。
年老いた両親も、今は元気だがそう遠くない未来にああいう所へお世話になるのかも知れない。
そして自分や妻もやがて…
「死」とは恐ろしいものである。
人が感じる恐怖の源はその殆どが「死」に起因していると、何かで読んだ。
僕は何か「死」に背中をつつかれたような気分になってしまったのだ。
痛い腹のまま、聖蹟桜ヶ丘の駅の近くのレストランでささやかな退院祝いを家族とした。
周りは若くて元気な人ばかりで何だか自分もちょっと元気になった気がした。
日本はこれから超高齢化社会を迎える。
これからの日本は元気になっていける社会なんだろうか?
追記 今回は府中の中河原駅のそばにある「府中恵仁会病院」と言う所にお世話になった。
医師を始めスタッフ方々皆素晴らしい方々で大変助かりました。ありがとうございました。