思えば生まれて始めての手術だった。

事前の説明があって、これが丁寧過ぎて「良いから、パパッと切ってや!」と言いたくなったが、かみさんが神妙な顔して聞いているので、大人しくしていた。

何か痛い話いっぱいされたので、変な覚悟が出来て、自分の腹ズバッと切られる所ちょっと見てみたいかも…なんて軽率に考えていた。

その後、呼び出しが掛かって手術室へ向かう。

TVドラマで見たなぁくらいの感動の後、台に寝転がされる。

その時、手術の時はT字帯に履き替えるという事を忘れていた事に気づく。

「ご自分の下着で来ちゃったんですね、脱がしますよ」看護婦さんにパンツを脱がされる。

あまりの手際の良さにちょっと感動(笑)

眠くなりますよ!と声をかけられた所で記憶が切れた。

なんか、頑張ってね!的な励ましも多いのでそういうもんかと思ってましたが、全身麻酔だから頑張りどころありませんでした。

目をつぶって、すんげえ痛みで目を覚ましたら手術終了。

自分的にはまばたきしてる間に腹を刺された気分。

しかも、切る前はそんなに腹痛く無かったから、何でこんなに痛えんだとびっくりした。

医者が後から言うには虫垂の腫れも酷く膿瘍もあり腹膜炎を起こしかけてたそうだが、それでも今の方が10倍痛え。

しかも、何だかよく解らない管がいっぱい刺さっている。

寝返りは良いけど後はダメといわれて、芋虫のように転がって過ごす。

手術って何かもっと自分の力で何かあるかなと思っていたけど、どうにもならないものでした。

とりあえず、痛え(泣)