「男だったらちゃんとした酒を飲め」


その時、酒の師匠は俺にこう言った。


おいらは生意気なクソ餓鬼だったので、


「言われなくても、バーボンもスコッチもちゃんと飲んでるよ」


生意気を言って、師匠の勧める酒もあおって見せた。


20歳の頃の話である。


その晩の内に師匠に「すいませんでした」と言わせた酒。


”グレンリベット”を今飲んでいる。


この歳になったら、この奥に何か見えるかと思ったが、深すぎて相変らず何も見えん。


20年も経ったのに未だにおいらクソ餓鬼のままらしい…


悔しいけど、相変らずゴルゴンゾーラかじりながら、この酒の深淵を眺めてる。


この酒が唯一「THE」が付くにふさわしい酒と言われる訳をいつかは理解できるだろうか?


ただ旨い酒で終わってしまうのか?


44歳のクソ餓鬼は足掻き続ける。


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