「共同して」と「連帯して」の違い | 法律翻訳ネタと変人観察日記

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洋書に出てくる英語表現を使って、法律英語とアメリカの法体系について解説したり、変人観察日記に使える英語表現を紹介しています。
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「共同して」

例えば、3名のボーカルグループが公演をする契約を興行会社と取り交わした場合、この3名のシンガーは「共同して」歌唱の公演をする義務をもつことになるでしょう。


「連帯して」

例えば債務者の金銭債務につき連帯保証人3名が連帯保証したような場合は、この3人の保証人は債務者と「連帯して」金銭債務の支払い義務を持つことになる。「連帯して」の意味は債務者が返済しなければ保証人の一人一人が主たる債務の全額を返済する義務を負うことになる。同じように数名の当事者が義務を負う場合にもこのような違いがあるのである。


英語に訳す場合に、「共同して」行なうのであればjointlyを使い、例えばA and B shall jointly perform the action.(AとBは共同してその行為を行なう)とする。


「連帯して」行なうのであれば、これはjointly and severallyに行なうことであるから、A and B shall jointly and severally perform the action. (AおよびBは連帯してその行為を行なう)となる。


なお、数人の行為kがそれぞれ別々に行なわれるときは「個別に」という言葉を入れます。英語に訳すときはindividuallyを使い、A and B shall individually perform the action.(AおよびBは各自個別にその行為を行なう)のように訳す。