「適用する」と「準用する」 | 法律翻訳ネタと変人観察日記

法律翻訳ネタと変人観察日記

洋書に出てくる英語表現を使って、法律英語とアメリカの法体系について解説したり、変人観察日記に使える英語表現を紹介しています。
その他、食事日記やどうでもいいネタもあります。統一感のないブログですがよろしくお願いします。

適用する


法律の適用とは、一定の事業に対して定められた規則を適用することを意味します。


法律文中には「適用する」という言葉が頻繁に出てきます。


例文1

その規則を本案件に適用する。

The rule shall apply to the case.


例文2

本契約に定めなき事項については民法を適用する。

Provisions of Civil Code shall apply to the cases that are not stipulated in this Agreement.


※「…に適用する」はapply toと訳します。be applied toと受け身にはしません。



準用する


ある事柄について定められている規則を、それとは異なる事項について「必要な変更を加えたうえで」適用することを意味します。

類似の事柄について、もう一度細かな規定をつくるのが面倒な場合に「準用する」がよく使われます。


例文3

本ライセンス契約は、ライセンシーとサブライセンシーの間の契約に準用する。

The License Aghreement shall apply mutatis mutandis to the Agreement between the Licensee and Sublicensee.


※mutatis mutandisはラテン語で「必要な変更を加えて」「適用が可能であれば」を意味します。

apply mutatis mutandis toは日本の法令でいう「準用する」という語になります。



【補足】

「適用することができる」という言葉もよく使われます。そのルールを適用する者の判断に任せる形でやわらかく書く場合があります。この場合、be applicable toを使います。


例文4

本ルールは当該ケースに適用することを妨げない。

It is not prevented that this rule appliued to the case.


と訳すこともできますが、「妨げない」=applyしてもよいということであるからbe applicable toのほうが英語らしくなります。


つまり、

This rule is applicable to that case.

と訳したほうが英語らしくなります。



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