翻訳の技法-要件「ねばならない」 | 法律翻訳ネタと変人観察日記

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法律文には義務をあらわす言い回しが多く、「ねばならない」、shallが多用されています。


例えば、「日本の首相となるためには、日本国籍を持たなければならない」という文を英訳するとします。


「持たなければならない」=義務をあらわす表現と思い込んで、

To be eligible for the Prime Minister of Japan, he shall have Japanese nationality.

と訳しがちです。


しかし、この場合は「日本国籍を持つことが必要である(he is required to have Japanese nationality.)」と要件をあらわしています。


英語の法律文では、義務を規定する場合はshallを、要件を規定する場合はmustを使いわけなければならないことになっています。


したがって、上記の文の英訳すると

To be eligible for the Prime Minister of Japan, he must have Japanese nationality.

となります。