法律文の用例-条件 | 法律翻訳ネタと変人観察日記

法律翻訳ネタと変人観察日記

洋書に出てくる英語表現を使って、法律英語とアメリカの法体系について解説したり、変人観察日記に使える英語表現を紹介しています。
その他、食事日記やどうでもいいネタもあります。統一感のないブログですがよろしくお願いします。

英語でも日本語でも、法律文の場合は、一定の言葉によって、一定の効果がもたらされるように書かれます。


条件、制限、例外などの言葉が付されることにより限定内容が明確になります。


法律行為の効力を一定事実の発生にかからせるのが「条件」です。


条件には「停止条件(condition precedent)」と「解除条件(condition subsequent)」の2つがあります。


停止条件は法的効果が発生するための条件をいいます。簡単な例をあげると、「大学に合格すれば、学費を払ってやる」というようにです。


解除条件は法律効果が消滅するための条件です。例:「進級できなければ、学費の援助をやめる」


それでは、条件節の訳しわけについて学習します。



◆場合、とき、時の使い分け


1.英語でIfやUnlessで始まる条件文を「…した場合は、…する」または「…したときは、…する」と訳します。

仮定的条件が1つであるばあいは「…した場合、」と「…したとき」のどちらの訳し方をしても問題ありません。


2.ただし、以下の文のように、仮定的条件が2つ重なっている場合はどうしたらよいでしょうか。


If a general shareholders meeting is convoked, whereat

a quorum for the shareholders meeting is not satisfied,

a resolution made at the meeting shall have no effect.


訳例

株主総会が招集された場合において、株主総会の定足数が満たされないときは、当該総会で行なった決議は効力を有しないものとする。


法律文において、条件が2つ重なる場合には、訳例のように大きい条件に「場合」、小さい条件に「とき」を使うという決まりがあります。



なお、「時」は時点を示す場合にのみ使い、条件を示すためには使いません。

例えば、「被相続人が相続開始の時において…」といった使い方をします。