孤独の寂しさが人間の心を
静かに燃やしてくれる。
前田夕暮(歌人)
確かに、孤独は寂しいこともある。
だが、孤独なときこそ、
本当の自分と向き合うことができる。
筆者の友人が、
京都で行われる、
『ヴィパッサナー瞑想』という
10日間の瞑想合宿に参加した話を思い出す。
施設で、
デジタル機器を断ち、
人との会話すら完全に絶って、
ひたすら瞑想をするらしい。
1日のスケジュールはざっとこうだ。
4:00 起床
4:30-6:30 瞑想(2h)
6:30-8:00 朝食、休憩
8:00-11:00 瞑想(3h)
11:00-13:00 昼食、休憩
13:00-17:00 瞑想(4h)
17:00-18:00 ティータイム、休憩
18:00-19:00 瞑想(1h)
19:00-20:30 講話
20:30-21:00 瞑想(0.5h)
21:30 就寝
エグすぎる。
正気の沙汰とは思えない。
これを10日て。
だが友人は、毎年整った状態で帰ってきていた。
徹底的に自分の感覚と向き合うことで、
「いま、ここ、自分」
そして
「ただ、ある」
という感覚を研ぎ澄ますことができるのだそうだ。
日常、我々は多くの刺激を受け
それに「反応」して生きている。
そうしているうちに自分の本当の心の声が
きこえなくなる、わからなくなるのだ。
その「反応」を完全に断ち、
整った状態で帰ってきていた友人は、
確かにかっこよかった。
ただ、
このヴィパッサナー瞑想の料金は
『本人が自由に決めて良い』そうなのだが、
他の客が数万円などを最後に支払っていく中、
友人は毎年
5円を払って帰っていくのだそうだ。
か、かっこいい。