気晴らしに撮り貯めた写真を見てみた。

今回はマレーシアの思い出 その③

27年前にマレーシアに短期駐在した時の思い出です。



プルフンティアン島の休日

マレーシアの連休に現地スタッフより船釣りを誘われ、クアラルンプールから東北方向、スタッフの実家のあるクアラ・ベシュット(kuala besut)に向け延々と車を走らせた。
クアラ・ベシュットに到着後、海沿いの砂地に建つスタッフの実家で休憩した。
ちまきの様な葉っぱで巻いた甘い餅を頂いた。
休憩後、河口の港に向かった。

河口には長い橋が架かっている。






スタッフ知合いの漁師の漁船で河口の港を出航した。
木造でかなり古いポンポン船であった。
船長? は、お爺さん、助手は、少年。
南シナ海をのんびりとした音をたて船は進む。波は荒い。海は青い。空も青い。
船は揺れる。
途中観光船と並走。

観光客がこちらに向け手を振るのでこちらも手を振る。




半日かけプルフンティアン島に到着した。
二つの島に挟まれた港の波は穏やか。

驚く程水が澄んでいる。珊瑚礁のある島。





ヒョロヒョロ高いヤシの木の葉にサラサラ葉音を鳴らし南国の風がふく。

砂浜に流れついた椰子の実が芽吹いていた。





キャンプ場があり珊瑚の海に子供が泳ぐ。





暫し休憩後、ポンポン船で沖に出て釣りを開始。
餌は、漁師さんが昨夜釣り上げたイカの切り身。手に持つ糸巻きから直接糸をたらす。
沖に出で益々水の透明度を感じる。
水深10メートル以上あるがユラユラと海底の珊瑚が見える。少し怖い。
半日糸を垂らすが釣れたのはウツボの仲間のような魚1匹だけ。
同行のスタッフもぼうずであった。
港に向け帰る途中、スコールにあう。
お爺さん船長の助手の少年が船底の狭い穴に入り、バケツに何杯も水をかき出した。スコールだけでなく元々少しずつ浸水しているのか。

港に着く直前にスコールは上り、大きな虹が出た。





島の港に帰り夜釣りに向け休憩。

港の桟橋には餌付けをされているのか沢山の熱帯魚が集まって来ていた。




相変わらず背のヒョロ高い椰子の木に南風が吹く。
日が暮れ夜釣りに出発した。
真っ黒な海に満点の星。天の川。
あれがサザンクロスなのか?
日本で見たことのない星座が拡がる。
適当な所で船を停め集魚灯を点ける。
竹竿の先にランプを結び付けた簡単な物。しかしながら効果は的面。
疑似餌にモンゴウイカがどんどん釣れた。
数時間釣り、夜も更け、釣り飽きた頃港に帰りそのまま船べりで寝た。
波音に目を覚まし、船を降りた。
船の中で寝たせいか桟橋に下りると地面が揺れる錯覚に陥る。
珊瑚の砂浜でも地面が揺れる。
砂浜の端の岩陰で帰る時間までしばし眠る。
昼過ぎ、プルフンティアン島に別れを告げる。半日かけクアラ・ベシュットに戻る。
ポンポン船は、南シナ海を大きく揺れながら進む。相変わらず、お爺さん船長の助手の少年は、船底の狭い穴に入り、バケツで水をかき出す。

夕刻、ふと陸地の方を見ると大きな入道雲が湧き上がっていた。

お爺さん船長の助手の少年は、舳先に座り遠く彼方を見つめていた。






空を見上げると大きな弧を描きながら飛行機雲が伸びていった。

何処まで行くのかな?



つづく