この町で、安心して赤ちゃんが産める場所を守りたい
今週はトライやる・ウィークでしたよ。1人の子は以前、毎朝自転車でクリニックの前を通っていて、そのたびに、タマル産のバラ園を眺めていたそうです。「いつもきれいで見とれてました」と話してくれました。今週のカバー写真は、その2人との記念ショットです。自分の生まれた場所を訪れてくれたこと、それだけで、スタッフ一同感激でした。さて、話は変わりますが、丹波篠山市の出生数は年々減少しています。2020年度は292人。2024年度は243人まで減りました。たった4年で約17%も減っているのです。それに伴い、タマル産の分娩件数も減っています。経営的には非常に厳しい状況です。それでも、スタッフの増員や医療安全対策など、削れない部分は多くあります。特に当院は、帝王切開の割合が極端に低いのです。できる限り自然なお産を大切にしています。効率や収益だけでは測れない、「母と子に優しいお産」を守ってきました。現在、私1人で診療を行っています。今年64歳になりましたが、昼夜問わず、26年間、1日の休みもなく対応しています。本来なら複数医師が必要な体制ですが、なんとか綱渡りで続けているのが現状です。市からは、年間1,500万円の助成をいただいています。本当に感謝しております。ですが、隣の丹波市では県立病院と日赤病院の統合に181億円もの予算が投じられました。その後も、継続的に毎年、多額の支援が行われています。この地域格差を考えると、当市でも支援の見直しが必要ではないでしょうか。なお、今年度は福祉事業への設備投資も重なり、大きな赤字となっていますが、この福祉部門の赤字については医療機構からの別途の借入で補填する予定です。分娩医療への支援とは切り離してご理解いただければと思います。2026年度からは分娩費用が保険適用となる予定です。そうなると、さらなる収益の減少が予想されます。だからこそ、今のうちからの備えが必要です。来年度の助成金は、最低でも2,000万円に。中長期的には段階的な増額もご検討いただくよう市に要望しました。もちろん赤ちゃんを産まない男性議員たちからは非難轟々です。この町で、安心して赤ちゃんを産める場所を未来につないでいくために。私たちタマル産婦人科は、これからもできる限りの努力を続けます。それでもある時点で、丹波篠山市は産婦人科医療から撤退する覚悟が必要なのは確実ですね。🌸もっと知りたい方へ🌸リラックスお産や女性の心と体の健康について、日々の気づきを発信しています。よろしければ、ぜひ以下もご覧ください。📘 Facebookページ:タマル産婦人科の最新情報をお届けしています👉 https://www.facebook.com/tamarclinic🏥 タマル産婦人科 ホームページ:診療のご案内やお知らせはこちらから👉 https://www.tamar.jp/🏡 ソルフェジオ 女性専用 障がい者グループホーム:こころと暮らしに寄り添う新しいカタチの住まい👉 https://www.solfeggio.life/みなさまの毎日が、やさしさと安心で包まれますように。