兄弟の力、ふしぎふしぎ。
兄弟の力、ふしぎふしぎ。丹波篠山市を応援してくださっている市議会議員さんの新聞を読んでいて、少し考えさせられました。2025年、丹波篠山市で生まれた赤ちゃんは190人。一方、亡くなられた方は650人でした。差し引き460人の自然減です。さらに転入が1,262人、転出が1,339人で77人の社会減。合わせると、たった1年間で537人も人口が減ったことになります。人口が減っているのは、もちろん丹波篠山市だけではありません。どこの市町村も、これから何にお金を使うのか、真剣に考えなければならない時代になりました。私は以前から、市民病院など医療にお金をかけすぎることが、地方自治体にとって大きな問題になるのではないかと思っています。お隣の三田市でも、将来を見据えて医療体制の再編が進められています。病院ももちろん必要です。私自身医療者ですから、病院なんていらないとは口が裂けても言えません。でも、限られたお金をどこに使うのか。そこは、そろそろ本気で考えなければならないでしょう。さて、今日のタイトルは、「兄弟の力、ふしぎふしぎ。」です。昔、日本産科婦人科学会が少子化に対抗するために掲げていた標語です。なかなか味のある言葉でしょう。今では、家庭の中の兄弟姉妹も少なくなりました。でも、少なくなったのは家庭の中だけではありません。学校という社会の中でも、子どもたちの「仲間」が急速に少なくなっています。議員さんの新聞によれば、古市小学校は全校児童66人。新入生は、わずか5人です。数年後には複式学級になる可能性もあるそうです。丹波篠山市全体を見ても、2026年5月現在の小学生は1,769人です。これから先、小学校は今のまま地域ごとに残していくのが、本当に子どもたちのためなのでしょうか。私は思い切って再編し、例えば東と西に大きな学校をつくることも、そろそろ考えてよいのではないかと思います。小さな学校には、もちろん良いところがあります。先生の目が一人ひとりに届きやすい。みんなが顔見知りで安心できる。地域とのつながりも深い。これは大きな長所です。でも、良いことばかりではありません。保育園から小学校、中学校、場合によっては高校まで、ずっと同じ数人の顔ぶれ。仲が良ければいいですよ。でも、ちょっと気が合わなかったら……。15年間です(笑)。これはなかなか大変でしょう。実際、丹波篠山市とよく似た人口構成の宍粟市教育委員会も同じ問題を指摘しています。宍粟市は我が家の次男が赴任していたところなので、状況は把握しています。小規模校では、長い場合には就学前から最長15年間、同じ集団で生活することになり、安心感がある反面、人間関係が固定化しやすい。さらに、中規模・大規模校に比べて、多様な考え方に触れる機会が少なくなるという問題も挙げています。子どもは、気の合う子とも遊びます。気の合わない子とも付き合います。ケンカもします。仲直りもします。足の速い子もいれば、絵の上手な子もいる。勉強の得意な子も、おしゃべりの得意な子もいる。いろいろな子どもがいるからこそ、「ああ、世の中には自分とは違う人がいるんだ」と学ぶのです。それも立派な教育ではないでしょうか。だから私は、学校の統廃合を単なる「経費削減」の話にしてはいけないと思っています。むしろ逆です。子どもたちに、ある程度の人数の中で育つ環境を用意するための、未来への投資として考えるべきではないでしょうか。お隣の三田市では、中学校を統合して新設する計画が進められ、約95億円をかけて2031年度の開校を目指しているそうです。95億円ですよ。なかなか思い切りましたね。でも、建物を造ることが目的なのではありません。その中で、これから何十年も子どもたちが育っていくのです。市長をはじめ、市政に関わる皆さんも、そろそろ「少子化をどう止めるか」だけではなく、「少子化した社会で、子どもたちをどう育てるのか」を考えなければならない時期に来ていると思います。高齢者のための医療や福祉は、もちろん大切です。でも、そこにばかり予算を注ぎ込んでよいのでしょうか。人口構成から考えれば、高齢者のほうが圧倒的に多い。選挙のことを考えれば、高齢者を大切にしたほうが票になる。まあ、政治家の皆さんの気持ちも分からなくはありません(笑)。でも、10年後、20年後の丹波篠山市を背負うのは、今の子どもたちです。学校をどうするのか。どんな教育環境を残すのか。古い校舎を少人数で維持し続けるのか、それとも学校を再編し、これからの時代に合った新しい学校をつくるのか。私は、そこにこそお金を使ってほしいと思います。そういう私も、今年からとうとう年金暮らしの仲間入りです。立派な高齢者側です(笑)。それでも、自分のためにお金を使うより、小学生の孫に肩入れしています。そろばん、水泳、英語、そしてバトン。もう、休む間もなくです。でも私は、これも立派な「未来への投資」だと思っています。道路も必要。病院も必要。高齢者福祉も必要。でも、それだけでは町の未来はつくれません。190人の赤ちゃんが、これから丹波篠山市で育っていきます。その子たちが、たくさんの友達と出会い、いろいろな人とぶつかり、笑ったり泣いたりしながら大人になっていく。そんな環境を残してあげることも、私たち大人の責任ではないでしょうか。兄弟の力、ふしぎふしぎ。家庭の兄弟姉妹だけではありません。友達も、同級生も、先輩も後輩も、子どもを育ててくれる大切な仲間です。私たち高齢者も、自分たちのためだけではなく、そろそろ未来に投資しませんか。今日のおまけ『Holy Mother – 天宙の母 –』 第六曲 Mater Silentii(静寂の母)宇宙は水から始まりました。海は目覚め、 大地は鼓動を得て、 光は流れ、聖なる命はすべての生命に宿りました。そして物語は、 一つの静かな部屋へとたどり着きます。この曲の主人公は、 神話の女神ではありません。夜中に目を覚まし、 眠るわが子を静かに抱き、何も語らず、 ただそばに寄り添う、一人の母です。母の腕は、 子どもにとって最初の家となり、母の鼓動は、 人生で最初に聴く音楽となり、母の静けさは、 最初の祈りとなります。このラテン語の子守歌を、 世界中のすべてのお母さんへ贈ります。