1月最後の診療日は1日外来の後、6歳の男の子の霰粒腫の切開でした。

 

手術の申し込みは白内障、霰粒腫、硝子体混濁の硝子体手術、眼内レンズ交換が1人ずつでした。

 

眼内レンズ交換の方は40代の女性は元々、強度近視があり、2ヶ月前に他院で白内障手術を受け、単焦点レンズで遠方に合わせたところ、近視がなくなって遠方の見え方はとてもよくなったものの、手元の見えにくさが不自由でその改善目的でいらっしゃいました。

手術を早くし過ぎたかな?というようにもおっしゃっていたと思いますが、手術時期そのものより、この年齢で白内障手術をするならば、術者は考慮しないといけないことがあったと思います。

 

この患者さまの場合、問題となってしまったのは、調節力が消失してしまったことと元々、近視で近くは見えていたのが急に近くが見えにくくなってしまったことの2点だと思います。

 

僕は若い方の白内障の手術の場合、調節力が無くなることは念入りに説明しなければならないと気をつけていますが、使うレンズはできれば多焦点レンズか単焦点レンズなら単純な単焦点レンズよりはレンティスやアイハンスを使うことで、調節力消失の影響を少なくすることができるかと思っています。

強度近視を単焦点レンズで遠方合わせにする場合は、思った以上に近くが見えにくく感じることがあるので、その点でも多焦点レンズやレンティスやアイハンスを使うことで影響を少なくさせることもできると思います。

 

それから、強度近視の場合、片眼ずつの手術だと、術後の眼鏡が使いにくいので、両眼同日に手術するメリットもありますが、できれば1日でも2日でも間を空け、片眼ずつ手術し、見え方を確認し、例えば、最初に手術をした眼が思った以上に近くが見えなければ、もう片方の眼は少し近くにピントをずらすことで調整ぢてあげた方がよいかと思っています。

 

なので、特に若い方の白内障の手術では、どんなレンズを使うか、単焦点ならどこにピントを合わせるか、両眼同時に手術するか、片眼ずつ手術するかはよく考えて手術を受けた方がよいと思います。

 

ちなみに、この患者さまはこのブログを見て、僕のところに来てくださったそうです。このブログを読んでくださっていることも、実際に来てくださったこともありがたいですが、術後に困っている人に届いたことがうれしいです。

どれだけ役に立てるかは分かりませんが、眼のことで困っている人や手術を考えている人たちに少しでもためになる情報やヒントを伝えられるようにブログを続けたいと思います。

 

↑硝子体手術を予定した硝子体混濁